野放し状態だったネット上の限りなくインチキに近い医療系の広告を指導・排除するための医療機関ネットパトロールの存在は知っている人は知っているけど、知らない人は知らない状況なのではないでしょうか?
本記事の内容
ウェブサイトの危なっかしい広告を監視する医療機関ネットパトロール、これはサプリ等も対象だよ❗
厚生労働省によって2017年8月24日に改正医療法を受けて発足した医療機関ネットパトロール、それなりに活躍はしているようです。
名称から対象はインチキがん治療を行なっているクリニック、あるいは誇大広告の温床である美容系クリニックと思っていました。
実は医療機関ネットパトロールは健康食品・サプリも対象となっている❗ってことです。これは私も知りませんでした。
あと非常に気になるのが医療機関ネットパトロールのサイトのURL→http://iryoukoukoku-patroll.com ⋯今時httpsじゃなくてhttp⁉?
「保護されていない通信」と表示されてしまう、SSLになっていないサイトへの通報を控えている人も多いのではないでしょうか?
せっかく50602千円(この表記の仕方、いかにもお役所的)を使ったネットパトロール事業なのですから、多くの人に活用してもらいたいと思い、不肖五本木クリニック院長が改善点と苦言を余計なお世話的に述べさせていただきます。
医療機関ネットパトロールに通報されたらどのような処分を受けるのか?
医療機関ネットパトロールに通報した場合、自分がチクったことが対象の医療機関にバレちゃうんじゃないかと考える人もいるのではないでしょうか?
さらに勇気を出して医療機関ネットパトロールに通報しても、本当に厚生労働省の担当者はそのサイトを確認して、問題があればそれなりの処分をしてくれるのか、医療機関ネットパトロールのトップページだけでは判明しません。
実際に医療機関ネットパトロールに通報すると担当部署はこのような動きをしてくれるようです。
厚生労働省ネットパトロール事業について
ネット上の医療機関ネットパトロールのフォームを使って通報→ネットパトロール事業者が書面審査→評価委員会が評価→ネットパトロール事業者から医療機関と管轄自治体に通知→通知後一ヶ月後に改善状況を確認
このような流れになっています。アレアレっ⁉
これだとどう見てもネットパトロールの対象は医療機関だけじゃん❗
やっぱりサプリメントとか健康食品とかはネットパトロールの対象になっていないのかなあ⋯そもそもネットパトロールは医療機関ネットパトロールという名称だから当たり前なのかなあ、なんてことが頭に浮かび話は元に戻ってしまうのでした。
誇大広告の温床であるサプリメント業界の嘘やインチキは通報しにくい
ネットを利用する上でダントツのデバイスは何と言ってもスマホ。色々なデータがあるのですが、私が管理しているサイトを見てみるとスマホ75パーセント、タブレット13パーセント、パソコン11パーセントくらいの割合になっています。
例えばスマホのアプリ「スマートニュース」でこんな広告を見つけたとします(これはあくまで例であり、この広告が医療機関ネットパトロール通報対象というわけでないことをご承知おきください)。
これは昨日、私のタブレットのスマートニュースに現れた「あなたにおすすめ」です。
こんなのばっかりクリック(タブレットだからタップだっけ?)しているために、朝っぱらから私のスマートニュースにしろ、グノシーにしろ、危なっかしい広告が満載され、「だははっ❗」と喜びながらトイレタイムを楽しんでおります。
この広告が誇大広告であり、嘘の表現があったとします(これあくまで仮定の話なんで、ジェイフロンティアさんは怒らないんでね)。これはけしからん❗と
医療機関ネットパトロールに通報しようと思っても⋯URLが表示されません❗
怪しげな医療健康にまつわる広告を見つけても、気軽に通報できない仕組みに医療機関ネットパトロールはなっています。
医療機関ネットパトロールのユーザビリティをあまり考慮してくれない通報フォームを使ってみるとすると医療機関名 (または店名・ウェブサイト名) →ウェブサイト名ねえ、でも最初に「医療機関名」って書いてあるから、これは医療機関の広告じゃないので医療機関ネットパトロールの対象じゃないのか、残念、としょっぱなから脱落する人もいるのではないでしょうか?
多分、店名はこの広告を出しているジ◯イフ◯ンティアでOK?ウェブサイト名となると⋯スマートニュースかあ?でもそうなると、Yahoo!のリスティング広告にでる通報するべきインチキ誇大広告の場合はウェブサイト名に「Yahoo!」って記入するのか⋯この時点でさらに脱落。
多分、赤線で囲んだ部分を「ウェブサイト名」に記入すればいいのかもしれません。
さらに医療機関ネットパトロールは「上記機関の所在地」の入力を求めてきます。この時点で多くの人はなんで私がヘンテコな会社や医療機関の所在地まで入力しないとダメなんだよ❗とここまで頑張ってきた人も何割かは脱落。
本当に申し訳ないのですが、たまたま私の「あなたにおすすめ」で出てきちゃったサプリメントの広告を長い長いページを下までスクロールしてみると公式サイトに飛ばされる仕組みになっています。
いくつかのボタンをクリック(タップだっけ?)することによって初めてこのサプリを販売している会社の所在地が表記されているページにたどり着くこのになりました、はぁー、ふぅ〜。
医療機関ネットパトロールの通報フォームの「必須」を如何にかこうにか二つ埋めたとしても、次に入力しないといけないのが「トップページのURL」です。
スマホやタブレットのURLって見つけにくくないでしょうか?
なんか方法があってお前のリテラシーが低いからURLが見つけられないの❗ってお叱りを受けるのはじゅうじゅう承知しています。
スマホやタブレットに出てくる危なっかしい広告のURLの表示の仕方をご存知の方はぜひ教えてくださいませ❗
「トップページのURL」「特に気になるページのURL」の入力フォームで※あくまで私個人の感想ですけど医療機関ネットパトロールの通報フォームの紛らわしさで、通報する人の99パーセント以上が脱落❗ってことになっているんじゃないのかなあ。
医療機関ネットパトロールの実態はこのようになっています
平成29年度の医療機関ネットパトロールの事業の結果報告はこのようになっています。
前掲厚労省サイトより
- 通報された件数の総数は1612件、そのうち医療広告864件、医療広告以外748件
ってことは、医療機関の広告でなくて、サプリメントとかも通報できることにやっぱり以前からなっていたことが窺われます。
- 審査対象となった事案は569件、違反の疑いがあったものは146件
通報された1612件中、問題があったと判定された嘘や誇大広告と判定されたものあ146件、つまり10パーセント以下になっているのですね。
うーん、普通の人が「こりゃ変だぞ」と思って使用勝手の悪い通報フォームに記入をして、保護されていない通信と表示されるサイトから勇気を出して通報しても、違反の疑いがあると判定されたサイトや記事は10パーセント以下❗
- さらに違反あり、と最終判定された件数はたったの74件❗
医療機関ネットパトロールに通報された総数1612件中、
実際に医療機関に「あなたのサイトは違反していますよ」と通知されたものはたったの4.6パーセント
という非常に低いものになっているのです。医療機関ネットパトロール事業に従事している職員の方のご苦労がしのばれます。
医療機関ネットパトロールへの提言
- 通報フォームでスクショ等の画像表示で受け付けていただきたい
- 入力の例を示してもらいたい
- 医療機関ネットパトロールのウェブサイトにぜひSSLを導入していただきたい
- 名称を「健康医療ネットパトロール」等に変更することによって、サプリも対象であることをわかりやすくしていただきたい
- サイトのURLが「http://iryoukoukoku-patroll.com/」となっていますがパトロールの正しい綴りは「patrol」でエルが一個多い、これじゃあ怪しげなサイトと感じる人もいます(これはある方に指摘してもらいました)
などなど、多数の改善点があると思います。是非是非ご検討いただけると幸いに存じます。
追記:こんなの書きました。
これもやっぱり使いにくいです。