ある方から水素水発生装置に関して質問があったのでツイッター上で、「効果ないよ」と回答しました。
すると即座に水素水生成機器を販売している会社の代表取締役からこんな返信が⋯。
本記事の内容
わたしのツイートに反論した水素水生成器販売会社はあっという間に業務中止⁉
連休中であり連休明けの診療に追われて、即座に水素水生成器販売会社代表取締役からの回答に気が付かず、数日後にこんなリプを返しました。
反論が無いなあ、と思っていたらなんとこの会社は私に絡んできた数日後に閉鎖になっていたんです❗
ほらね❗
なぜ会社が閉鎖したのかの理由は不明ですけど、この方が強気で唯一学術機関にバイオマーカーによって効果効能が実証されている、との主張は一般の方は惑わされる可能性があるので特許を取得しているからといって、医学上の効果・効能が証明されたわけではないという重要なことと、一般人にとっては魔法の言葉でもある効果・効能が医学論文になっています、これだけじゃ臨床効果の証明になっていないことを検証してみますね。
やっぱりこの水素水生成器販売会社は業務を休止しています(http://proto-lab.co.jp/next-page/)
業務休止なのか、業務閉鎖なのか、休止とか閉鎖とかは何を意味しているのか、会社経営は門外漢である一介の町医者である私には詳細不明です(棒)。私のツイートがこの会社を業務中止に追い込んだワケでは無いことは、ツイートの時系列から明らかですので、その点はご承知おきくださいね。
水素水生成器を御購入のお客様へのお詫びを知った購入者の中にはパニック状態になっている方もいます。詳細は避けますが、セールストークとその販売方法に問題があったような状況だったようです。
本来ならばツイッターを引用する場合はURLを記載して、そのツイートをクリックすると元のツイートに飛べるようにするのがルールだと解釈しています。
今回の私のツイートはある方からの質問に答える形のもので、その質問をされた方はかなり複雑な問題をお抱えの様子なのでスクショにしました。その方の複雑な問題に関しては後述します。
特許を取得していても、それが効果・効能を証明していることにはならない❗
この水素吸入装置「スイソニア」を取り扱っている販売会社の代表取締役と称する方が掲げてある特許に関して調べてみました。
水素水生成器販売会社なのに、なぜか水素吸入装置を販売しているのも謎といえば謎です。
これが特許の内容です。
これは単純に水素ガス発生装置に関する特許であり人体に及ぼす影響に対しての特許ではありません❗
特許取得成分が入っているサプリであったとしても、人体に対する効果効能を示すとは限りません。水素ガス発生装置を使って水素水を作り出し、それを水素水生成器として販売していたのかなあ⋯でもスイソニアという機器は水素吸入マシンとして販売されているし、水素界隈はかなり複雑なことになっていることが予想されます。
特許取得したからといって、その商品やサプリメントが人体に対して効果・効能を示すことにはならない、こんな例もあります。
特許取得と水素ガスの効果効能は全く別の話
いくら特許を取得した水素ガス発生装置だと威張ってみても、モンドセレクション金賞獲得より説得力が無いと思います。
論文になっているから、効果・効能を証明したことにはならない❗
西村さんという方がツイートしている「学術機関によるバイオマーカーによる効果効能が実証」に関しても調べてみました。多分効果効能を実証しているという論文(?)は多分これなんじゃないかなあ⋯。
http://suisostation-lm.com/blog/1661.htmlより ここにはどんな内容の論文であるかは全く書かれていませんし、タイトルも表記されていません。でも見つけました⋯「水素ガスを含む蒸気混合ガス吸入後の唾液バイオマーカーの解析」(https://ci.nii.ac.jp/naid/120006328667)です❗この論文は英文にもなっています。スイソニアは『XEN (然) =適正濃度の水素を含む蒸気混合ガス』を体内に取り込んだ際の作用を正式な「論文」という形で発表しています。
でもさあ〜、これって水素ガスを吸わせて、唾液中のインターロイキンの濃度を調べただけであり人体の免疫力を高める臨床試験ではないですよね。
つまり、病気に対しての効果効能は全く実証していません。基礎研究段階の実験結果、それもたった一報の論文を元に水素ガスの効果効能なんて実証できるわけないじゃん❗研究者の方々もこんな風にご自分たちの研究論文が使われていることを知ったら驚くんじゃないかなあ⋯。
医学領域で確かに水素ガス等の基礎研究や臨床研究は行われています。しかし、まだまだ研究中の案件がほとんどであり、手軽に家庭で病気を治す効果のある水素ガス発生装置が販売されていることに驚きを隠せない医療関係者も多いのではないでしょうか。
2年前にこんなニュースがあったことをご存知ない方もいるんですねえ⋯。
水素水製造機器界隈のどうやらかなり危なっかしい領域に入り込んでしまいました
この水素吸入装置を販売していて、私のツイートに反論してきた人は水素で美肌・美髪になる水素水生成器販売なるブログを書いています(https://profile.ameba.jp/ameba/proto0816)。このブログによると子供さんが小児がんと診断され、困りに困った時に水素水に出会い、ご主人の薄毛も解消(がんの子供さんのその後はどうなったんだろう?)したために水素に惚れ込んだご様子が伺われます。
ここまでは※お客様の個人的な感想ですレベルで良いとしても、惚れ込んだ水素水を病気で悩んでいる方へ積極的に販売を始めてしまったことにより 今となっては水素吸入装置に騙された❗と思っている方がいらっしゃいます。販売していた会社と全く連絡が取れないそうです。
さらにこの水素吸入装置の販売にまつわるかなりヤバ目な話も伝え聞いているので、それらの複雑な事情に関しては報道機関等のジャーナリストさんたちの活躍に期待したいと思います(一開業医にとって色々な話の真偽を確認することは重荷すぎ)。
万が一、この水素発生装置の人体に対する健康上の効果・効能が証明されたとしても、販売方法に問題があるとなると製品自体の信頼度が失われてしまうのではないでしょうか?
追記 2018年12月の産経新聞にこんな記事がありました。
同じような騒動が各地で起きているのですね。
先日、国民生活センターがツイッターを開設しました。→https://twitter.com/kokusen_ncac/status/1062596041906638848
国民生活センターは以前から水素水が危なっかしい案件であることを公表しています。 容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」 「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です国民生活センター「水素水」
騙された側にも問題があったとしても、病気に悩んで藁をもつかむ状態だと冷静な判断が出ないことも十分に理解できます。ちょっと変だなあ、と感じたらぜひ国民生活センターのサイトを利用してみたらいかがでしょうか?
トップページの検索窓に気になる商品の名前等を入れてみてください。私のように特許情報や論文まで引っ張り出すにはそれなりの労力を要しますが、このサイトであれば不慣れな方でもある程度の見分けはつくはずです。
しかし、今回の水素吸入装置を医療機関で採用しているというか、積極的に宣伝しているところがあるんです。さすがに国民生活センターでもその件に関しては触れていないので、時期をみてそのトンデモ医療機関に関するブログを書こうかなあ、と思案中です。
以前の私だったらサクサクとその医療機関に触れたブログを書いていたのですが、抗議の電話攻勢がくると「院長、平穏無事な日常を送らせてくださいよう〜」「たまには美容系のブログも書きなさいよ❗キーっ」とスタッフから怒られてばっかりの私の状況をご理解くださいませ。
なお、ブログ中で水素水生成器・水素水発生装置・水素吸入器・水素ガス発生装置・水素吸入装置などの言葉が乱れとんでしまったことをお詫びしようかとも思ったのですけど、関連サイトでは今回取り上げた装置に関して、これら多数の言葉が使われているんです。次にブログにするときはそのあたりも整理してみますね。
続編です