インフルエンザワクチンの効果をこれっぽっちも疑っていなかった私が間違っていたのか、それともインフルエンザワクチンの効果は明らかになっていないと宣う自称医療ジャーナリストさんのお話が正しいのか?
本記事の内容
医療ジャーナリストともあろう方が「インフルエンザワクチンの効果は明らかじゃ無い」???
私が一方的にTwitterでブロッックされている
ソーシャル上では「自称医療ジャーナリスト」と呼ばれている有名な方がいます
この医療ジャーナリストさんは朝の情報バラエティ番組にも登場して、ヘンテコは半可通丸出しのコメントによって医療関係者の間では間違いなく有名です。
この医療ジャーナリストと自称している方と感染症専門の医師のTwitter上のやりとりがTLに流れてきました。ブロックされている私は医療ジャーナリストさんのツイートを見ることができませんので、「見られないよー」と呟いたら親切な方がアドバイスしてくれて、久々にご対面でき、感激のあまり、ここ最近のツイートを覗いてみるとこんなのを見つけてしまいました。
本来ならばスクショは避けるべきです。でも、ブロックされているのでこの表記の仕方でお許しくださいませ。
チャーリって方の仰っている話の元論文にはこんなことは書かれていません(これは近々別のブログにする予定)。
インフルエンザワクチンは高齢者等の重症化と死亡率を下げる、これは明らかになっています
この医療ジャーナリストと一般の方は受け止めている人のツイートに
厚労省の委員会でも、インフルエンザワクチンの効果は、何度も話題になりましたが、本当に高齢者等の重症化と死亡率を下げるのかという点について、きちんとした我が国でのデータは示せていないと思いました
と書かれています。
●厚労省の委員会、ってどの委員会?
●インフルエンザの効果は何度も話題になった、ってどこで?
●高齢者等の重症化と死亡率減少のデータが無い、ってどこを探した?
●ワクチンの影響ならワクチン偏重を見直す、って一次ソースを読んだのか?
●海外ではあっても日本ではインフルエンザワクチンの効果を明らかにしていない、って何を元に言ってんの?
などなど、たったの140文字中でも多数の疑問点があるのです。
インフルエンザワクチンの効果は日本でも実証されています❗
私と自称医療ジャーナリストとの確執は彼が私のことを「アホだから」と賞賛してくれたことに始まります。
このブログが原因で一方的にブロックされた記憶があります(記憶が定かではないのは、私は性格はどちらかというとさっぱりしています、やることはネチッコイかも)。
この方の傾向として、自分としては本当か嘘なのかを確認しようがないのですけど、広い交友範囲を誇示して、大物医療関係者や大物厚労省関係人物との交流を示すようなツイートが時々あるので、私は窮地に追い込まれるリスクが当然伴います。
ひょっとしたら医療業界から追放されてしまうのかという恐怖におののきながらも、やっぱり批判しちゃいますね。
厚生労働省におけるインフルエンザ絡みの委員会として「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究」があります。議事録はしっかりとネット上にアップされています。さらに資料として使われたパワポと思われるものもネット上では見ることができます。
これは確かに海外のデータであり、医療ジャーナリストさんがおっしゃるように日本では明確になっていない的な発言は間違ってはいないように思われるのですが….
あるんだなあ、日本におけるインフルエンザワクチンの高齢者に対する効果のデータが❗
この資料によって
●高齢者はインフルエンザワクチンの接種によって発病するリスクが最高で55パーセント減少する
●高齢者はインフルエンザワクチンの接種によって死亡リスクが82パーセント減少する
●インフルエンザワクチンの接種一回でA型インフルエンザに対する抗体は十分に上昇していた
などなど、ワクチン接種の効果が明らかになっています。どこの厚生労働省のどんな委員会での話を基にして「本当に高齢者等の重症化と死亡率を下げるのかという点について、きちんとした我が国でのデータは示せていない」と思ったのか?もし資料がありましたらご提示いただけたら幸いに存じます。
インフルエンザワクチンはきっちり死亡数を減らしています
私は泌尿器系の感染症に関してはプロですけど、インフルエンザ等の感染症は専門外です。私が医学の勉強の参考とさせていただいているアレルギー専門のほむほむ先生(@ped_allergy )のブログでこのようなものがありました。
https://pediatric-allergy.com/2017/11/27/vaccinating-schoolchildren-against-influenza/
インフルエンザワクチン集団接種は、インフルエンザによる死亡数を減らしていた
信頼たる医学専門誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン「The New England Journal of Medicine」に掲載された「The Japanese experience with vaccinating schoolchildren against influenza」(PMID: 11259722 )をもとにして丁寧にわかりやすくインフルエンザワクチンの有効性を述べています。
この論文の結果としてインフルエンザワクチンは日本の児童の死亡を年間3万7000人から4万9000人を防ぐ効果があったと書かれています。これによって自称医療ジャーナリストがツイートしている「高齢者等の」の「等の」に対する疑義も全くの見当違いであることがわかります。
追記:この書き方、誤解を招くものであったことをお詫び申し上げます。正しくは「日本の児童へのインフルエンザワクチン接種の集団免疫による効果によって高齢者やハイリスク患者さんの死亡を年間3万7000人から4万9000人防ぐ効果があった」との表現に改めさせていただきます。
さらにほむほむ先生のブログは予防接種が中止されることによって、超過死亡率が増加することにも触れています。
超過死亡率はWHOが考えた「excess death、 excess mortality」の日本語訳で感染症、ここではインフルエンザが流行することによって、様々な死因によって死亡率がどれだけ増えたかを推定する指標です。
私も季節性インフルエンザが流行する前シーズンに、集団接種の効果に関してこんなブログを書きました。
追記:このブログで引用した論文、「Influenza Vaccination of Schoolchildren and Influenza Outbreaks in a School」(Clinical Infectious Diseases, Volume 53, Issue 2, 15 July 2011)でも児童が予防接種を受けていた方が学級閉鎖の期間が短くなっていることが明らかにされています。
これだけインフルエンザの予防接種の効果が様々な研究によって確立しているのに、多忙な厚生労働省の委員会がいまさら、ワクチンによる重症化予防効果や死亡率低下効果に関して我が国ではデータが示されていない、って何度も話題になっているのでしょうか?
医療ジャーナリストであろうと、自称医療ジャーナリストであろうと、医療に関するご意見やお考えを文字にしたり、バラエティ番組で述べられるのであればしっかりの一次ソースをご提示ください。
気になるインフルエンザの爆発的流行の原因はワクチンそのものである、とのトンデモ系のお話に関しては、確実に一次ソースの研究論文を読み間違えていることに関しては後日ブログにしますね❗