いくら体に良いと考えられているサプリメントであっても、広告で効果効能を書いてしまうことは、薬機法等の法律に違反します。
そこで編み出された手法として、有名人等がそのサプリの宣伝に登場して「これ調子いいんだよねえ」的に効果・効能をぼかした表現です。
本記事の内容
特許取得、医学界の権威が推奨する東大が発見したサプリ「ブロリコ」、でもねえ⋯
自称・他称医学界の権威が登場してサプリメントを推薦しているような形式のものもありますし、中には特許取得❗となんの特許取得なのかは明確にしないで
「特許取得したから効果は確実なのよねえ」と疑うことを知らない純朴な素人さんの心をガッチリ掴んだ広告もあります。
しかし、こりゃどう見てもアウト❗
もう少し工夫を凝らした広告なら「がんが消えた?」とか「がんが無くなった」なんて感じの表現を使うのでしょうけど、なぜがこの広告はガチで
がんが治る、それも末期がんが治る❗
と言い切っています。
これを下の方にスクロールすると当然のごとく「ブロリコ」というサプリメントを購入するサイトに誘導する文字があるのですが、これがまたスゴイ❗
東京大学が発見!新成分「ブロリコ」のサプリとも書かれています。
東京大学の研究室あるいは東京大学に所属してる研究者がブロッコリーを原料としたサプリメント「ブロリコ」の主成分であるはずの物質を新発見したのか、あるいはブロリコの成分を合成して新発見した事実があるはずです。
この広告では東大が発見した成分を含むサプリを飲んだ唐突に動画で登場する宗像久男医師(誰だ、この人?)が「末期がんは治る」と言い切っているので、信じない方がどうかしています⋯でもねえ、信じない人もいるんだよ〜、私じゃん。
こちらも合わせてお読みいただけるとうれしいです。
東京大学の有名教授がブロリコの成分を発見❗これは疑問だらけです
ブロリコの公式サイトと思われる広告はこれです→http://www.brolico.jp/html/page3.html この広告には奥村康先生が登場しています。
奥村先生は東京大学出身でもありませんし、東京大学関連には所属していません。そこで特許取得に注目して
ブロリコ関連の特許を調べてみると二つありました
一つは免疫機能を調べるための新手法として蚕を使ったもの。もう一つはブロッコリー由来の自然免疫機能活性化組成物の製造方法に関するものです。
両者ともに特許権を取得しているはブロリコを製造販売している会社と東京大学になっていますので、東京大学が新発見❗はウソでは無いと考えらえます。
ここに登場する発見者の関水和久さんってどっかで見かけた記憶があります
そうそう、コカコーラが発売した発酵乳「ヨーグルスタンドB1乳酸菌」を発見した東京大学薬学部の関水和久博士ではありませんか❗乳酸菌は発見するし、ブロリコの成分も発見するというめちゃくちゃ活躍している大物です。
東大の研究者であったとしてもご専門は蚕、そうあの絹を作り出すカイコが専門です
もちろん専門分野を研究されている時にたまたま他の領域の大発見をしてしまう、なんてことも医学研究分野では無いことは無いです。例えばED改善薬は高血圧薬の研究中の副作用として効果が発見されていますからね。
医療業界の権威、確かに権威が推薦してもブロリコの広告がヘン
ブロリコというサプリメントはブロッコリーを原料としたもので、確かに体には良さそうなイメージがあります。
アフィリエイトに登場する宗像久男医師は聞いたことない医師ですが、ブロリコの詳細ページに掲載されている奥村康先生は確かに有名な医師兼研究者であることは間違いありません。
しかし、
奥村先生のご専門は免疫学方面だったはず
で、少なくともブロッコリーに関する研究は私が調べた限りでは見つけられませんでした。
この広告で先生は格言を残しております。
長生きするためには、健康な状態を維持することが重要なのです
これは重要なポイントですからみなさん確実にメモしておいて、毎朝斉唱しましょうね。他にも楽しいお話が満載、詳しくはこれをどーぞ。
こんな医療業界の大物を引っ張り出してきたブロリコ恐るべしです。
ある物質が本当にがんの治療に効果があることを証明するために必要なステップはこれ
関水和久博士の発見は確かに特許を取得しています。これよくよく読んでみるとカイコの筋収縮活性における研究と自然免疫機能活性化組成物の発見であり、
ブロリコあるいはブロリコの成分が免疫力を高めることの証明にはなっていません
さらにこの発見によって
ブロリコはがんを治す、なんて事実は全く証明されていません。
要するにどんなに高名な医学界の権威が推奨していようと、東京大学の研究者が特許を取得していようとブロリコががんを治すことは全く根拠の無い話なのです。
薬が病気に効果を発揮するか、安全性はどうか、どれだけの量を使用すれば一番効果があり副作用はどのようなものが出現するか等々を調べるために基礎研究から、臨床第三相試験までを行わないと標準治療にはなり得ません。
基礎研究者のゴールは怪しげなサプリメント業界の広告塔じゃん、なんて陰口を言う若手研究者もいます。著名な医師あるいは研究者があたかも推薦しているような宣伝文句、そしてあたかもがんに効果のある成分を有名な研究者が発見して特許を得ていたとしても、それが本当に治療効果があるとは限らないのです。
まあ、どっちにしてもブロリコでがんが治った❗との表現はアウトです。
おまけ:ちょっと前に内科医と称するニセ医者が推奨していたサプリメントもこのブロリコです。
ブロリコを製造販売されている会社はいくら本当に体に良い成分が含まれているとしても、広告を代理店に投げっぱなし、心無いアフィリエイトがやり放題だと、余計なお世話ですけど、信頼性を失くしてしまうのではないでしょうか?