ワクチン忌避派の方に対して、ワクチンを拒むこと理由を書類にしたものを医師が発行しているとの話が出回っています。アレルギー等でワクチン接種ができない人のためのものではなく、いわゆる自然派と呼ばれる意識高い系向けへのワクチン忌避証明であり、信奉者の間では印籠とまで呼ばれているようです。
本記事の内容
インスタ方面で「反ワクチン」を扇動する医師はかなり問題だと思います
2018年、風疹の流行が勢いをとめません。現時点(2018年10月17日)でこんな感じで風疹が猛威を振るっています。
風疹に対しての予防方法はご存知のように予防接種、つまりワクチンを接種することは医学的にも十分に証明されていることであり、一般の方も常識としてご存知のはずです。しかし、世の中には様々な理由でワクチンは悪と考えてしまう人が若干存在していることも承知していましたが⋯そんな反ワクチン派を扇動するような医師がいるんです。
その医師はワクチン接種を拒否する親御さんに「印籠」と呼ばれているワクチンを打たない宣誓書的な書類を発行しています。ワクチンに関しての方針が書かれた書類をこんな感じでインスタでご披露している方もいます。
この「横地先生」先日のブログにも登場してきている反ワクチンを扇動している、と判断しざるえない特殊な考え方の持ち主のようです。
私が言いたいことはワクチン拒否の証明書(?)を誇らしげにインスタにアップしてしまう母親がどうのこうのということでは無く、なぜ医学部で医学を学び国家試験に合格した医師がワクチン接種を否定し、その独自の風変わりな思想を一般の母親に流布するのか、非常に気になってしまうのです。
やまびこ小児科クリニックの横地先生のワクチン講座に謎は隠されている
横地先生という方は南アルプス市でやまびこ小児科クリニックを営んでいる、間違いなく医師免許をお持ちの医師です。地元で小児科という非常にヘビーな科目を専門として、多くの親御さんの支持を得ている開業医とお見受けしたのですが⋯
日本中を飛び回ってワクチン講座を開催、これが反ワクチン派養成講座の可能性?なんじゃないでしょうか?横地先生のクリニックサイトのトップに出張講座のお知らせがあり、毎週の様に各地でワクチン講座を開催しています。
横地先生のワクチン講座の内容に関しては詳細を知る方法がありません。しかし、ワクチン接種を拒否するための印籠をお持ちの方の投稿内容をいくつか読んだところ、ワクチン講座はワクチン拒否を煽る講座であることに間違いは無さそうです。
というのもインスタの中に横地先生にアクセスすると「ワクチン証書」なるものが頂けると読み取れる文章があり、その「ワクチン証書」を小児科受診時に提示することによって、まともな小児科が当然推奨するワクチン接種を簡単に逃れるとの使用方法が書かれていました。
ワクチン拒否を推奨する医師の将来的なトラブルについて
病気の診断を下す権利は多くの医療関連業種の中で医師だけに許されている権利で、権利を行使するに当たっては、もちろん重い責任を負わなければなりません。医師の場合、裁量権という権利が付与されており、自分の責任においては例えば標準医療をして認められない特殊な治療を行うことも可能です。
この横地先生は医学的には常識である感染症予防対策であるワクチンを接種しなことを宣言する「ワクチン証書」をご自分の責任において発行しています。
万が一、この証書を行使してワクチン接種を拒んだ親御さんのお子さんが、ワクチン接種で回避できるはずである感染症に罹患して重症化、あるいは最悪の場合、死亡となった場合は横地先生はどのような責任が問われるのか、法律の専門家ではなくても医療に携わるものとして背筋か凍る思いがします。
横地先生はトンデモさん、と呼ぶような可愛いレベルの問題じゃないような⋯
横地先生のクリニック「やまびこ小児科クリニック」のサイトのよこにこんなことが書かれています。
誕生数秘学!誕生数秘学という、誕生日占いの原型のような学問(統計学?)があります。西暦で表記し、全ての数字を一桁になるまでたし続けて出てくる数字で、その人の持って生まれた性質を知る手段ということです。
誕生数秘学⁉これってオカルトじゃん。
星占いとか占いは男性より女性ファンが多いと聞きます。ちょっと子育てにお悩みの母親が占い等に興味を示すことを非難はできません。しかし、いかにも科学的手法による学問であるかのように見せかけた誕生数秘学を堂々とクリニックの公式サイトに掲載してしまう、小児科の横地先生、私と大違いで女性心理を十分に理解できるデキル医師のようです(苦笑)。
さらに横地先生のクリニックのサイトを丹念に見回してみると「アロマセラピー講座開催」のお知らせが掲載されています。
病気を治すというより、病気と闘っている方々がアロマを使用してリラックス効果を期待することは否定されるべきことではありません。正しいアロマの使用方法をセミナー形式で伝授している方も多数いらしゃる一方で、このアロマは一般的にはマルチ商法と呼ばれる、販売方式に問題を含む商法の商材となっている点が気になってしまいました。
このブログで触れたように、ニセ医学的な理論で強引にアロマ販売に誘い込む輩もいるのです。これはあくまでも一般論というか、特殊な例なのかもしれませんので、横地先生がそうである、と言っているワケではないことをご理解ください。
ご注意ください、自然派をこじらせるとこんなことになってしまいます
食の安全性、という切実な問題をネットで調べていくとたどり着くのが「放射能汚染」「農薬」「添加物」「オーガニック」「化学物質」などに関する情報。なぜかネット情報って科学的医学的に正しい記事より、ニセ医学・疑似科学に汚染された記事の方に惹きつけられてしまう方が多いようです。中にはワクチン証書と称する「印籠」をゲットされた方のように、ハッシュタグをつけて「ノーワクチン」とか「ワクチン拒否」「予防接種」等のキーワードをつけてソーシャルに投稿すると、どこからともなく親切なフォロワーがトンデモないアドバイスをしてくれちゃいます。
横地先生、詳細な状況は不明で断定はできないので間違っていたら謝罪しますが⋯先生はひょっとしてリアルで診察していない方に対して、電話で会話をするだけで「ワクチン証書」なるワクチン拒否の印籠を発行していませんか?近年、遠隔診療が保険適用されました。
しかし、
この遠隔診療を行うためには初診は対面である必要があります(追記:このブログを書いた当時はそのようになっていました。2020年の新型コロナ感染拡大によって時限的に初診もOKとなっています。)先生的には診療したのではなく、実際に会ったことのない人にワクチン拒否の印籠となりうる証明書を発行しただけなのかもしれませんが⋯この方のお子さんが将来、ワクチン接種で回避可能である感染症に感染して、予後に問題を残した場合はどのような対応をするおつもりなんでしょうか?
もしも現時点でご自分で調べた範囲でワクチンはメリットよりデメリットが大きく、ワクチン接種を拒否しようとお考えで、横地先生にご相談される方は最低限、ワクチン証書を発行するに当たってどのような質問をされどのように回答して、どのような条件下で印籠である「ワクチン証書」がもらえたのかを詳細に記録しておくことをオススメいたします。裁判等になった場合、詳細な記録は大きな力を発揮する、と法律の専門家はおっしゃっていました。