美容整形大国の中国で医療事故多発の真相

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美容整形大国というと韓国を思い浮かべる方が多いと思いますが、中国も美容整形大国です。

日本からわざわざ韓国に美容整形を受けにいく女性が多いようですが、技術力は正直日本のが上です。圧倒的に上です。

価格が安かったり、日本では行わないような施術が受けられる(安全でないから日本では行っていない)といった理由で人気のようですが、当然トラブルは多発しています。

今回は、中国における美容整形の医療事故多発の真相について取り上げてみます。

エコノミスト掲載データは実情を表してはいません

英経済紙のエコノミストが世界の美容整形受診者のランキングを掲載して話題にないりました。

一方で国際美容外科学会の発表をもとにしたデータであるために、実際の行われている治療数は学会に所属していない医療機関や、もぐりの医療機関のデータが含まれていないとおもわれます。

特に、日本におけるデータは実際に行われている施術数はもっと多いと感じているのが、臨床に携わる私たちの実感です。

どちらにせよ、中国が経済発展に伴って美容治療を受ける方の数が急増しているのは、間違いない所でしょう。

今や中国美容大国となったのは間違いは無い事実

手術件数が世界3位となった、と英エコノミストで報告され話題になっていますが、もちろん人口が多いので治療数が増えるのは当然でしょう。

ちょっと前はコンテストの優勝者が「人造美女」とよばれて話題になりました。

TVで見かける女優のなかにも、私たちプロの目から見ると明らかに美容外科的手術を受けたと分かる人も多くなっています。

あるデータによればここ10年間は前年比40パーセント以上の増加を示しています。

中国人が一年間に美容治療に費やした費用は4兆5000億円といわれています。

俳優やモデルだけものもではなく、一般人も盛んに美容医療を受けているようです。

どんな美容整形が流行っているか

二重瞼にする治療な鼻筋をスッキリさせるような「プチ整形」と呼ばれるものが好評のようです。

一方日本のアニメの影響のため、不自然なほど目を大きく見せる治療も人気があるそうです。

しかし、やり過ぎで不自然になってしまう人が続出しているのはお国柄化もしれません。

どちらかといえば技術的にはあまり高度なものではなく、気軽に行えるものが中心です。

香港の広告

これは香港で見かけた駅の広告です。

国際婦人デーに美容ツアー

容貌が就職を左右するとの話があり、学生が在学中に治療を受ける傾向があるそうです。

国際婦人デーにちなんで「韓国に美容整形ツアー」なんてものも企画されたそうです。

学生中心の美容治療のため、割と低料金で行える「プチ整形」が流行っているのかもしれません。

都心部では簡単な治療が気軽に受けられる環境が整いだしていることが予想されます。

「人造美女」といわれるような大掛かりな治療を受けている人は少数派かも知れません。

残念なことに美容治療でトラブル多発

美容治療が流行するにつれて、医療事故、クレームも急上昇してます。

見よう見まねで治療を行う医師側のモラルの問題もあります。

中には美容先進国とされる韓国の医師が在籍することを売りにするクリニックも在るそうです。

韓国の美容外科医師は韓国国内で人気が高いので、中国にまでわざわざ患者さんの治療にいく必要はないと考えられます。

つまり韓国の医師ではあるが、美容専門の医師ではない、医師でもないなんてことも報告されています。

それによって年間2万件を超える手術の失敗による苦情が殺到しているそうです。

内容の多くは治療により「容姿を失った」などのクレームが目立つようです。

無題

上記写真はレコードチャイナから引用させていただきましたが、内容とは関係ありません。

今後の中国の課題

日本から中国に進出している美容外科医もいるようですが、成功しているとの話は寡聞にして聞いたことはありません。

中国の富裕層が韓国に治療へツアーを組んでいくそうですが、今後韓国の美容外科医より技術ははるかに上を行く、日本に殺到してくる可能性はあります。

しかし、見た目という非客観的なものに対する治療である美容医療ですから、十分なコミニケーションが取れない場合のトラブル発生は必至です。

ちなみに当院の美容担当の松下医師は北京語はペラペラです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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