アイディアはあるけどそれを商品化したりする資金が足りない時に利用すると便利な仕組みが「クラウドファンディング」です。
私は今まで大宅文庫の存続をかけたクラウドファンディングを支援したり、世界の子どもに天体望遠鏡を配布するクラウドファンディングを支援した経験があります。
スモールビジネスを育て上げるパトロン的なクラウドファンディングにはあまり興味はありませんでしたが⋯ある美容家のクラウドファンディングにはちょっと前から注目していました。無事に先日目標額に達しプロジェクトが成り立ったようなので今回のお題とさせていただきます。
本記事の内容
「ほうれい線を3分で飛ばす」方法がクラウドファンディングで資金集めに違和感を
3分でほうれい線を飛ばすリフトアップは医学的にみて可能か?
このプロジェクトの肝である「3分でほうれい線を飛ばす」ことが医学的に考えて可能であるかの検証(まず無理)をして見たいと思いますけど⋯まず、のっけからこの表現方法は厚生労働省の医療広告ガイドラインに抵触します。
この美容家さんは医業を営んでいるワケじゃないので、医療広告ガイドラインに則る必要は当然ありません。ちなみにガイドライン上問題となると思われるのが「3分」で、医学的な常識の範囲を明らかに逸脱していると考えられます。美容家であったとしても、一般的に誇大な表現として解釈されると不当景品類及び不当表示防止法とかに抵触するような気がしないでもありません(この辺りは法律の専門家にお任せ)。
3分でほうれい線を飛ばすリフトアップはクラウドファンディング利用はなんだかなあ⋯。
さらにこの3分でほうれい線を飛ばすDVD作成プロジェクトの精査を行ってみます。例えばどの金額が人気があり、そのリターンはなんであるかとは今後クラウドファンディングを利用することを予定している方にも役立つヒントがあるかもしれませんしね(棒)。
なぜこのクラウドファンディングは北海道の震災のチャリティと関係しているの?
さらにこの3分でほうれい線を飛ばすリフトアップDVD作成&佐世保活性化プロジェクトがなぜか北海度の震災に対してチャリティまで行っている理由はなんなのか?に興味津々です。
3分でほうれい線を飛ばすことは医学的に可能か?
クラウドファンディングってプロの投資家にお金をつぎ込んでもらう手間暇を考えると、スモールビジネスを始めようと考えている人にとっては有効な手段だと思います。しかし、この3分でほうれい線を消すのは無理です。
ほうれい線を薄くする、目立たなくする治療は美容系医療機関で非常に人気の高い治療方法です。シワの治療として有名になったボトックスはほうれい線治療には全く役立ちませんし、ほうれい線はヒアルロン酸の注入だけでは到底歯が立たない難易度の高いかつ悩める方の多い部位です。
3分でほうれい線をなくす、消す、だと厚生労働省あるいは国民生活センターから注意されますので、「飛ばす」との表現を使用したのでしょうねえ。
3分でほうれい線を飛ばす、これに支援したパトロンの見返りは何?
このプロジェクトがどうだこうだと言っているワケじゃありません。非常に面白い傾向を支援が見ることができます。
一番支援者が多いのがリフトアップDVDとプロジェクトで作るDVDの見返り
この見返りがちょっと曲者。クラウドファンディングで製作する予定のDVDが特別価格で購入できるというリターン、これかなり違和感があります。というのも実際は定価7800円で販売予定のDVD、これを5000円で購入できる権利を得ることがこのファンディングの見返りだそうですが⋯普通パトロンってただでもらえるんじゃないの?さらにこの方、ファンディング成立前にセミナー開いてるじゃん❗
このセミナーは台風21号の影響で中止になった様子です。この受講料が5000円でしょ、クラウドファンディングでDVDを特別価格で購入できる権利が5000円でしょ⋯色々なことが頭の中をグルグル回っちゃうのでした。
38万円の支援者はゼロ、そのリターンもなんか変です
高額の支援をするとこの美容家さんのノウハウを伝授してもらえるようです。この価格ってよく見かけるセミナービジネスの受講料というか、免許皆伝料に近いものを感じたのは私だけじゃないと思います。
目標額は50万円、ご自分で手配できなかったのでしょうか?
ご自分で事業を行なっている上で50万円がご用意できなかった諸事情があるのかもしれません。しかし、経営者でありこれから新規事業とも言えるDVDの製作に取り掛かるにあったって50万円をファンディングで集めるのってなんか変な気持ちがします。
北海道の震災のチャリティが組み合わさってしまう理由が不明
実はここからが本題です。美容家さんが効果があるか無いか(医学的にはあり得ない)は不明のほうれい線を飛ばす方法をDVD化しようが、セミナーを行おうが、セミナーのチケットをクラウドファンディング方式で販売しようが、それはビジネスの一方法として非難されるものでは無い、と大人の解釈をします。しかし、なんでクラウドファンディングが北海道の震災のチャリティーを一緒くたになってしまうのでしょうか?
セミナーの受講料の一部を震災の募金に当てるようですけど⋯
豪雨や地震などの災害に対するクラウドファンディングは具体的にどのような援助に費用が使用されるのが明確であり、日本赤十字社の義援金には規模は到底及びませんけど、それなりに有効な支援方法の一つだと考えられます。今回の平成30年北海道胆振東部地震に対するクラウドファンディングも立ち上がり、無事にプロジェクトは成立しています。
3分でほうれい線を飛ばすセミナーの受講料金の中から1000円を北海道地震募金クラウドファンディング(ママ)に募金するそうです。でも
この度の台風21号、北海道地震により、被災された皆さまの少しでも早い復旧をお祈り申し上げます何かやらなければ❗という気持ちが高まり緊急で北海道地震へのチャリティ企画として、そして私の美容家友達の●●さんクラファン応援としてイベントを立ち上げました!
氏名は私が勝手に伏字にしました。セミナー形式をとったクラウドファンディングの応援とチャリティ、なんだか違和感あるなあ⋯。
違和感は私の考えすぎである、でも3分でほうれい線は消えません
私がクラウドファンディングの知識に乏しいが故に「なんか変だなあ」と感じたにきまっていますよね。一瞬であってもクラウドファンディングを利用してセミナービジネスの宣伝をしている、と感じてしまった私の歪んだ心を反省いたします。
おまけ:ワードプレスに目次機能を搭載してみました。目次が気になってスラスラとブログが書けなくなってしまったので、この目次機能は慣れるまでは使用は控えようっと。