ネット上の広告でやたらと目にするラクビ(LAKUBI)というダイエットサプリについて、宣伝されているような効果が本当にあるのか?医師が検証しました。衝撃の事実が判明しました❗
本記事の内容
ダイエットサプリ「ラクビ」は本当にサイエンス(Science)に掲載されたの?
ダイエット用のサプリ、スマートニュースかグノシーかで見かけたことのある広告がとうとうツイッター上にも出てくるようになりました。これどう見ても怪しげですよね。
テレビで紹介されようが、テレビで話題と言ってもどうせ健康関連バラエティ番組でしょう的に一定レベル以上のリテラシーを持った方は解釈するはずです。
しかし
この「LAKUBI(ラクビ)」ってダイエットサプリはなんとサイエンスに掲載されたってことがこの広告には書かれています。サイエンスと言ったらそれはそれは権威ある格調高い科学誌なんで、これが本当なら疑り深い一定以上のリテラシーを持ち合わせた人でも信じてしまうのでは無いでしょうか?
ちょっと時間があったので、このテレビで話題かつサイエンスに掲載されたダイエットサプリ「ラクビ」について事細かに調べましたので報告いたします。
追記:そういえば先日取り上げた商材も「LAKUBI(ラクビ)」でした。
クリックしまくっているので、色々なパターンの広告が配信されるようです。
「ラクビ」が世界的に権威のあるScienceという科学雑誌に掲載されたと言うけれど⋯無いじゃん❗
薬機法の改正や医療系広告の規制によって健康関連グッズの広告はかなり厳しく制限されています。もちろんサプリといえどもこれらの規制を受けるはずなんです。
理系のオッサン的にはサイエンス(Science)に掲載された論文は一定以上のクオリティが保証されたものと捉えがちです。このダイエットサプリのラクビ関連の論文がサイエンスに掲載されたとなると一気に信頼度が高まるのです。
この広告では何年何月何日号に掲載されたのかは記載されていませんので、サイエンスの表紙の画像から基となった論文を見つけようと試みました。このサイエンスの表紙は非常に特徴があり「Asteroid Itokawa」というタイトルが書かれています。
サイエンス(Science)があの小惑星探査機「はやぶさ」がサンプル採集を行なった小惑星「イトカワ」を取り上げた号を見つければ、ラクビ関連の論文を読むことが可能と考えて、探しに探し回ってついに「イトカワ」を表紙にしたサイエンスを突き止めました。
ラクビのことが掲載されたと称しているサイエンスは「Science Vol. 312, No. 5778」なのですが⋯
ラクビのことなど一切書かれていません
まあ腸内細菌に関する論文が二本掲載されてはいますが、どれもこれは実験段階、つまり人間に対しての効果を報告した論文なんて一切掲載されていません (このURLでサイエンスの論文のタイトルを見ることができます http://science.sciencemag.org/content/312/5778)。
ラクビの販売会社はここまで追求されるとは予想していないかったと思われますが、世の中には暇なオッサンもいることをご承知おきくださいませ。
「ラクビ」が減らすという、「デブ菌」ってそもそも何?
ひょっとしたら私が間違えていて、サイエンスの他の号にラクビ関連論文が掲載されている可能性もありますので、そもそもラクビはどんなメカニズムでダイエット成功率を高めるのかを確認しておきます。
腸内細菌には痩せ菌とデブ菌があるそうで、痩せている人は痩せ菌が多い
から、って解説されています。逆に太りやすい人の腸内細菌はデブ菌が多いため、消化されたものを溜め込むという理論(???)。
その独自の理論に従ってデブ菌を減らして痩せ菌を増やすのがラクビらしいです
腸内の細菌はそれはそれは多種多様であり、腸内細菌叢とか腸内フローラと呼ばれて健康関連バラエティ番組で取り上げられるています。このラクビの広告では「バイキング」や「たけしの家庭の医学」で取り上げられたことをラインマーカーで強調されています。
医学用語じゃ無い、この痩せ菌とかデブ菌って何なのだろうとその定義を捜索したところたどり着いたのが、あの藤田紘一郎さんが書かれた「ヤセたければ、腸内『デブ菌』を減らしなさい!2週間で腸が変わる最強ダイエットフード10」でした。
藤田紘一郎先生は寄生虫を専門とした真っ当な医学博士だったのですけど、いつの間にやら免疫に手を出されてトンデモウォッチャー界隈では常に話題を振りまいている方なんですけどねえ。
藤田紘一郎さんが痩せ菌とかデブ菌とかの言い出しっぺでかどうかは不明ですが、Amazonで販売されている一般書籍で探してみる限りでは藤田先生の著作が一番古いようです。
藤田紘一郎さんの前掲の著作によれば太らせる性質を持つ細菌群があり、これを「デブ菌」と呼ぶと書かれています。医学用語では「フィルミクテス門」に所属する細菌を「デブ菌」と藤田先生は独自に定義しています。この「フィルミクテス門」に所属する
「デブ菌」が腸内で増えてしまうと、ちょっとした食べ物を摂取しても大量のエネルギーを吸収する体質になるとの理論
によって、デブ菌を減らして痩せ菌を増やせばダイエットに成功する、という考え方らしいのですが⋯これって医学的にというか科学者界隈でコモンセンスとなっているの?
素朴な疑問、こんな広告を見てダイエットサプリを買う人ってどんな人?
ラクビで痩せ菌を増やしてデブ菌を減らしてダイエットに成功❗ってことが絶対に無いと私は主張しているのではありません。
広告手法がヘンテコリンなのです。例えばラクビ(LAKUBI)は爆発的な人気があり、@コスメのダイエットサプリ評価比較で何とダントツのNo.1となっていると広告では言っていますけど⋯
@コスメを調べたところラクビ(LAKUBI)はベスト10にも入っていないんだなあ
ひょっとしたら過去にNo.1だったのかもしれませんので、そうだったら謝罪いたします。
サイエンスにもそれらしい論文は掲載されていませんし、@コスメでもダイエットサプリ評価で1位になった気配がありません。まあ、このネット上に現れる広告をクリックして
宣伝文を読んで「今度こそダイエットに成功するぞ」とラクビ(LAKUBI)を購入してしまう方って本当に素直で純情なのでしょうねえ
ちなみに私がちょいと調べたところによると、このラクビを販売している会社は何と年間の売り上げが50億円もあるようです。他の商品もこんな感じで
https://www.u-u-kan.jp/GoodsList.jsp?category_id=01より 世の中の現象やトレンドには全くご興味の無い方がまだまだ日本にはいらっしゃるようです。ラクビを服用して健康被害にあわれた方も私がネットで調べた限りではありません。
サプリごときにガタガタケチを付けるのもおとなげ無いとの考え方もあるでしょうけど⋯あまりにもヘンテコリンなネット広告だったので、私だけではなく皆様と一緒に笑い飛ばそうとの考えで今回俎上に載せました。
こんなバージョンもあるようです(苦笑)。