お盆休みに病気になった⋯医療機関もお盆休みで休診⁉

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お盆休みに帰省したけど、体調が悪く医療機関を受診しようと思ったけど⋯医療機関までお盆休み。

そんな経験をしたことありませんか?やっとお盆期間に診療をしている医療機関を訪れてもこんなトラブルがありがちです。

お盆休みに病気になって医療機関を探し回ったことのある方へ

例えば保険証を持っていなかった、この場合はとりあえずは100パーセント自費で医療費をお支払いただき、後日保険証を持参していただいた時に自己負担料を相殺します。中には保険証のコピーをお持ちで来院され

保険証があるのになんで100パーセント自己負担なのよ❗

とブチギレる方もいるとの話を耳にしたこともあります(記憶にある限り当院では経験なし)。保険証はコピーだと全く意味をなしませんし、健保組合等の指導により保険証は実物を持参しない限り保険診療をしちゃダメということになっております。

こんなデータがあります。

画像

これは平成27年から平成29年に医療機関から提出されたレセプトの枚数です(グラフは当方で作成)。これをみる限りなぜか3月がダントツに保険医療を受けた患者さんが増えているだけで、その他の月で患者さんの数は大きな変化は無いように見受けられます。ということは

一年を通して患者さんは大幅に増減することは無い、と判断して良さそうです

例外として皮膚科は夏に、耳鼻科は春に、内科は冬に患者さんが増えると言われてはいますが、全般的には季節変動はなく、お盆休みだからといって病気になる人が減ることは無いようです。

ブログと全然関係ないお知らせとお詫び:先日当サイトのメール機能が一時ダウンしておりました。メールで問い合わせしたけど、返事が無いぞという方は大変申し訳ないのですが、再送いただくことをお願い申し上げます。でも、よくよく考えたらSEの方が速攻で対応してくれたということは⋯SEさん、お盆休みを取っていなかったということなんですね、ありがとうございます。

お盆期間、医療機関もお盆体制?

地方だとありがちな話として医療機関もお盆休み体制のために、せっかく通常通りに診療を行なっているクリニックを見つけても医師一人、看護師一人、受付・事務一人なんてこともあり、診察の順番が回ってくるのにメチャクチャ時間がかかってしまうなんてこともあるようです。

目黒区の一般診療所(いわゆるクリニック)を頭に浮かんだ20クリニックを抽出して、ネットによってお盆休みを取っているか否かを調べたところ20クリニック中14クリニックがお盆休みを取らないで診療をしていました。まあエビデンスとしては非常に弱い信頼度が低いものですが

少なくとも目黒区ではお盆期間でも普通に受診できると考えても良いようです

一方で

都内のある区の開業医のお盆休み状況を調べて見たら⋯なんとほとんどが休診❗

よくよく調べてみると、その区では医師会所属クリニックによって当番制でお盆期間中をやり過ごすようです。都内であっても開業医のお盆休み状況はまちまちとの結果になっています。

レセプトの枚数を見る限りではお盆期間を含む8月であっても患者さんはしっかり医療機関を受診しているのです。

そういえば薬問屋さんの中にはしっかりとお盆期間をお休みにしている、社員に優しい会社もあるようですが⋯医療機関の多くは通常通りなんだからご一考いただけると幸いに存じます。そういえば検査の外注した場合、これまたお盆の期間は検査結果が出るのに大幅に時間がかかってしまう事が以前はありましたが、最近はそのような検査会社は都内では見受けられなくなりました。

医療機関の夏休みはいつだ?

大昔は医師会でなんとなーくお盆休み中は休診にしちゃおうよ、お盆休み中に診療して他のクリニックの患者さんを奪い取っちゃダメだよ的な暗黙のルールがあったような気がしないでもありません。先ほども書きましたが、少なくとも目黒区ではお盆なんて関係ないよ、という開業医も増えてきています。

ところで近年、医師とくに勤務医、さらに特に若い医師の働きすぎ問題が浮上しています。大学病院やその系列の病院に勤務する医師の労働時間はハードで約6割が過労死寸前との報道もあります(HUFFPOST等)。データとしての信頼性はかなり弱い私の経験としては夏休みでないと入院できない患者さんも多数いるために、夏休み中(ほとんどがお盆休み中と考えて問題ないかと)は手術件数も通常より増加する傾向があったと記憶しています。そうなると大人数の医師を抱える科目以外は勤務医は夏休みを取ることは事実上不可能。

じゃあ、勤務医はいつ夏休みを取るかというと、これまた私の経験としては9月とか10月前半に夏休みを先送りしてこなしていました。その当時は勤務医、特に研修医を含む若手は働くことイコール修行であり、寝ずに休まずに働くことは自分の勉強であるとの今考えるとかなり理不尽な理由でクソ暑い中、研鑽に励んでいたのです(タイムカードなどというものは研修医時代には見かけた記憶はありません)。

お盆期間でも通常通りに診療を行なっている大病院を気軽に受診することは、勤務医に取ってはオーバーワークとなる可能性

がありますので、お気遣いいただけるとありがたいと考えております。

夏休み中、特にお盆期間に体調を崩した方への注意

お盆期間の帰省中、あるいは旅行中に体調を崩す方もいらっしゃるはずです。そんな方にこのような点にご注意いただきたいと思います。

●保険証を持っていないと100パーセント自費で治療費を払うことになる

●地域によって違いはあるけど、医療機関もお盆休みを取っている場合がある

●お盆期間は人手不足のために、至れり尽くせりの医療を受けられない場合もあるかも

●お盆休みだから医療機関も当然休みだとは考えないでネット等で調べる

●間違いなく診療していると考えていきなり大病院を受診しない

以上を留意いただき、お盆休みや夏休みをお楽しみくだされば、なんてことを考えながら当院は毎年夏休みやお盆休みを取らずに元気に通常通りに診療を行なっております❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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