腸内フローラダイエットにダイエット効果が本当にあるのか?を医学的に検証してみました。マスコミを介して宣伝されている内容はさておき、結論として、酪酸菌が果たして短鎖脂肪酸を作る能力が高いために、体重を落とす効果を発揮する腸内フローラとして腸内の定着し、ダイエット効果があるのか?が焦点です。
本記事の内容
NHK絶賛、たけしの家庭の医学、バイキングで取り上げられたダイエット方法らしいけど
SmartNewsかGunosyをトイレで観ていたら「NHK絶賛????善玉菌を増やして、悪玉菌を減らせば痩せる⁉世界的権威の科学雑誌で発表された⋯」って感じの記事というか広告を見つけました(薄い文字でPRとか広告とか書いてあるやつ)。
これ本当に世界的権威の科学雑誌で発表されたの?とちょいと調べてみるとこれって動物実験、マウスを使った研究じゃん❗
との結果となりました。最近腸内フローラが話題になっています。医学的には免疫機能に関する論文が多いように思われます。
しかし、この広告はちょっとひどいんじゃないでしょうか?
引用元はマウスの実験でありダイエットの成果を伝えるものではありません。さらにさらにいかにも英文の科学雑誌から引用しているように書かれているこの部分って日経トレンディの記事そっくり❗という非常に興味深い腸内フローラダイエット広告を見つけてしまったので、どこがどのように変なのかをお伝えしますね。
そして、この腸内フローラダイエットが本当に体重を減らすことを意味しているダイエットとして効果があるのかも考察してみます。
なお私が直接見つけた広告はアプリの記事であり、URLが特定できませんでした。この広告の元ネタを見つけましたので、http://kirei-stop.site/article/6057?urlnum=4を今回の症例検討の対象とさせていただきます。
これって虎の威を借る狐じゃないの?
最近は私もなんだかオッサンファン以外に若い方にもごくごく少数ですがファンがいるようです。虎の威を借る狐、なんて表現をしてもよくわかないので
権威ある科学雑誌や医学雑誌に掲載されたと称してあたかも自社製品の効果が実証された風に見せかける商法
といいなおします。
NHKに関しては「絶賛」の後にクエスチョンマークが打たれていますので許します。
たけしの家庭の医学もこの番組を全面的に支持する医療関係者は少数だと思いますので、まあ許しましょう。
バイキングに関しては番組の内容をよく知らないので触れませんが、取り上げられたとの表現はあたかもこの腸内フローラ関連サプリが実際にテレビで放送されたか確認しようがないので放置します。
でもねえ、少なくとも「Nature」や「Science」で掲載された、これは黙っちゃいられません❗
引用元、ここをクリックするとあら不思議、なんとScienceに飛ぶではないですか。この論文「Gut Microbiota from Twins Discordant for Obesity Modulate Metabolism in Mice」(Science 06 Sep 2013)はかなり基礎研究的な内容であり、実験対象としてはマウスを使用しています。
マウスと同じような体内の構造を持っている方には効果があるダイエット方法なのかもしれませんけど、人に対する研究や実験の論文は私の調査能力が足りないからかもしれませんけど、見つけることはできませんでした。
今見たら「NHK絶賛」と明記、クエッションマークが消えています❗
さすがにこれはマズイんじゃないの?
この引用している文章ってどうみても日経トレンディの記事の一部なんだけど
以前、今は無き某巨大健康情報関連サイトとバトルをした時についた癖として「文章の一部を検索する」があります。いまだに健在である某健康情報サイトとバトルをした時もこの方法を駆使してパクリというか他のサイトから無断引用した記事を見つけまくりました。多分、一文字何円の素人ライターさんの手による記事なんでしょうね。この腸内フローラダイエットサプリの広告の
アメリカのセントルイスにあるワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士らのチームが研究成果を科学雑誌「Science」にて報告。「腸内細菌叢が肥満に影響する」という内容で、肥満者の腸内フローラは脂肪を貯めやすい状態との調査結果を公表。また、痩せやすい菌を一時的に増やすだけでなく、食事などで継続的に腸内細菌叢の調整や維持をしていくのが改善に必要だったと発表した。
との記載、日経トレンディのこの記事と非常に似かよって見えるのは自分だけでしょうか?
2013年、米国セントルイスにあるワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士らのチームが、「腸内細菌叢が肥満に影響する」という新たな研究成果を科学雑誌「Science」に報告しました。
日経トレンディ「痩せない理由は腸内にあり? 腸内細菌叢を整える」(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140515/1057546/)より。
まあ、英文を訳したから同じような日本語訳になったとしても⋯引用元と書かれているScienceにはこんなこと書かれていないよ、しかも英文だし。
引用元の英文の論文がなんで日本語になっちゃてるの???
これはアプリにあった記事。でも元記事と思われる広告(http://kirei-stop.site/article/6057?urlnum=4)にも同じものがあります。
これをクリックすると、先ほどの論文が現れます(これは元記事も同じ)。
この広告を打った人、まさかこんなデバンカーがいるとは予想しなかったでしょうけど、世の中には私のようなヤツもいるのさ。こうなっちゃうと
世界的権威の科学雑誌で発表されたダイエット方法の効果も怪しくなってきます
でもちょっくら時間があるので、この腸内フローラダイエットの効果を考察してみました。
このダイエット方法って単にお通じを楽にするだけなんじゃないでしょうか?
この広告、腸内の善玉菌だの悪玉菌だのに関して書かれていますけど、医学的には善玉菌や悪玉菌の定義は少なくても腸内細菌叢に関してはないと思います。この腸内フローラダイエットでは悪玉菌は余分な栄養の吸収を促進して、善玉菌は余分な栄養の吸収を抑制する菌と定義しています。腸内フローラが肥満と関連していることに関しての研究は行われています。
この商品に対する研究と思われる論文は無いようです。もし、そのような研究があり、論文を見つけたらご教示いただけると幸いに存じます。もちろんじっくりとその論文を精査させていただきますけど。
腸内細菌叢の乱れで便秘になる方は多数いらっしゃると思います。しかし、腸内で滞った便の栄養の全部が全部体内に吸収することは考えらません。ぜーんぶ吸収されたら、そもそも便秘になんてならないもんね。
そうなるとこの腸内フローラダイエットサプリを使用して「10キロの減量に成功しました」「体重が半年で6キロ以上痩せました」「三ヶ月ちょっとで3キロ体重が落ちました」と
無邪気に成果を報告している方々は常日頃からそんな大量の便をお腹に抱えていたのでしょうか?
と素朴な疑問さえ出てきちゃいます。この腸内フローラダイエットって単にお通じの調子を整える効果以上のものを期待することが本当にできるのか?そのためにはこのサプリの成分を知る必要があります。
オリゴ糖やサラシアエキスや植物性キトサンを従えて、メインの効果を発揮するのは短鎖脂肪酸を作る能力が非常に強いと表現されている酪酸菌のようです。ヘンテコな広告手法はひとまず大人の対応でさらりと流し、今後は酪酸菌が果たして短鎖脂肪酸を作る能力が高いために、体重を落とす効果を発揮する腸内フローラとして腸内の定着し、ダイエット効果があるかについて調べる必要が出てきてしまいました。これは宿題として、必ずや近いうちに検証してみますね。