真菰(マコモ)風呂の水って腐ってませんか?助産師さん❗

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人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドがあって値段が同じなら誰もが天然ダイヤモンドを選ぶはずです。自然なもの・あるがまま、ありのままなものは魅力的ですし、自然なものを好むのはそれこそ自然なことです。ですが、それは人工のものがありふれた生活をしているから、自然・天然がよく見えるともいえます。

自然が好きなのはよいのですが、やっかいなのが自然派を拗らせた方々です。自称・自然派な人たちです。それが助産師さんであった場合、お母さんはもちろん赤ちゃんへの悪影響、下手すりゃ健康被害がでかねません。マコモ風呂に凝っている自然派をこじらせた助産師さんはニセ科学であるEM菌の信奉者でもありました。さらにそれを煽るメディアの相乗効果によってさらなる自然派をこじらせた方が出てこないことを祈るしかないのでしょうか?

真菰風呂って知ってる?菌が老廃物を体の外に出すんだってさ(苦笑)

日本人は世界的に見てお風呂好きだと考えられています。それに伴いお風呂に入ることによって何かしらの健康上の効果を高めるための工夫もしています。例えば入浴剤を入れることによって温泉効果を得ようとしたり、リラックス効果を高めるためにハーブ系の入浴剤を入れることがありますよね。

そんなこんなの入浴剤の中で真菰風呂ってのがあるんです❗トンデモ系ニセ医学疑似科学を今まで散々イジって来た私ですが、日本に蔓延するトンデモさんをぜーんぶカバーすることは不可能でした。

この真菰をお風呂に入れてその効果を嬉々としてブログにしている助産師さんを発見しました。

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https://ameblo.jp/m-6458/entry-12341288632.html

一般の方が真菰風呂を楽しんでいてもそれをイジる趣味は持ち合わせていませんが、この方は助産院を経営している助産師さんなんです。

助産師さん方面ってなぜかトンデモさんが多数発生していてトンデモ信仰がマズイことに妊婦さんや赤ちゃんに影響を与えてしまうことも。そこで真菰風呂を絶賛している助産師さんのブログのどこが変なのかを解説して行きますね。

真菰を入れたお風呂は水を変えないでいいらしい⋯

そもそも真菰とは神事にも使われているいかにもありがたい効果がありそうなイネ科マコモ属の多年草の植物です。別名ハナガツミというそうです。

出雲大社のしめ縄にも使われる真菰

https://www.kankou-shimane.com/pickup/8985.html

真菰自体は日本全国で自生しているありふれた植物であり、古くから日本人に馴染みあるものです。出雲大社のしめ縄にも使われ、出雲大社では毎年6月に「マコモの神事」が行われています。

さて、この真菰風呂助産師さんが使用した真菰と同一のものか詳細不明ですが、真菰風呂に使う真菰原液は簡単にAmazonでどなたでも購入可能です。

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Amazon「浴用マコモ

この真菰の原液をお風呂に入れると

今でも、浴槽の水はかえていません。真菰の原液は、初めの2本とその後の追加1本、合計で3本。浴槽の水は、蒸発した分だけを追加して、まだ、継続しています。 一年経過しましたが、まだ、水は腐っていません。森林浴をしているような、爽やかな真菰臭が漂っています。

と助産師さんはブログに書いています。

爽やかな真菰臭が漂う真菰風呂、ところでレジオネラ菌は大丈夫なんですか?レジオネラ菌って大量の水があるところで繁殖することが知られています。そのために時々入浴施設や温泉でレジオネラ菌による集団感染が報道されています。

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国立感染症研究所「レジオネラ症とは

幸いにして真菰風呂助産師さんは取り上げた赤ちゃんの沐浴に真菰風呂は使用していないようです。だって

我が家のお風呂には、絶対、誰も入りたがらないだろうな、ということです。色がよくないのです。汚い茶色で、まるで、肥溜めの色なのですから⋯。

妊婦さんや子宝に恵まれたお母さんに「真菰風呂って森林浴しているような効果があるのよ」的なアドバイスをしている可能性は否定できません。

まあ、がんの原因は変形したカンジダ菌であるとネットやトンデモ本を真に受けちゃう真菰風呂助産師さん、お仕事の方が繁盛していることを陰ながら祈っております。

何でもかんでも信じちゃう真菰風呂助産師さんはEM菌も試していた

知っている人は知っているけど、知らない人は目にすることがないオーガニック方面を拗らせたサイト「IN YOU」では驚異的なデトックス力と浄化力を持つ、縄文時代から食されてきた「まこもだけ」のすごいパワーとはとして真菰の新芽に寄生したマコモダケを取り上げています。

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http://macrobiotic-daisuki.jp/makomodake-kounou-resipi-29047.html

意識高い系さん御用達の「IN YOU」の中でも真菰および真菰ダケに関するありがたい話が書かれてます。

真菰筍は国内では三重県菰野町が発祥とされ、縄文時代から食されていたという古い歴史があり「神の草」「神が宿る草」とも呼ばれ、古事記や万葉集でも登場し、まこもの葉は全国の多くの神社の御神体として使われたり、神事や注連縄に使われてきました。中国をはじめ東南アジア諸国でも、高い栄養素から古くから食用や薬用として使われ、北アメリカではインディアンが古くからアメリカマコモを食べる習慣があり、貴重な食料とされていたようです。また日本では食用だけではなく、マコモダケから採取した黒穂菌の胞子をお歯黒や眉墨・漆器の顔料として使われた歴史もあります。

あのー、ここに書かれていることってほどんどウィキに書かれていることと同じに見えるのは自分だけでしょうか、そうそう最近老眼が強くなって来たために同じような文章に見えちゃっているんですね、きっと。この助産師さんの情報源ってほとんどがネット上のトンデモなのかも知れません。

真菰風呂助産師さんはあのEM菌にもはまっていたらしい

娘がリウマチを患っていた頃、私は、毎晩、娘の身体のマッサージをする前に、足浴をしていたのです。その時は、EM菌を入れていました。そのころの私は、EM菌にハマっていたので、浴槽やら、洗濯機やら、鉢植えやら、いろいろな場所に使っていました。

と述べられています。ここに登場するEM菌はトンデモさんが一度は通過する疑似科学系の謎の物体であり、これに汚染されてしまった自治体がトンデモでは済まないレベルの環境破壊を起こしかねない運動が問題視されています。

上流域にお住まいの「EM菌撒き散らしオバサン」、医師としては健康被害が心配です。

上流域にお住まいの「EM菌撒き散らしオバサン」、医師としては健康被害が心配です。

マコモ風呂助産師さんはEM菌にハマることによって結果的に家が汚れて(なんで汚れたのか詳細不明)、水も濁ってしまったようです↓

熱帯魚の水槽に入れたら、水が、いつまでも、きれいになって、そこで、近所の人がメダカを飼っていたので、EM菌を入れてみました。その時は冬でした。結果は、我が家の様にきれいにならずに、却って、水が濁ってしまって、ひんしゅくをかいました。その件を、最近、理解できたのですが、EM菌は沖縄で作られたので、温かい場所でしか、効果がないようなのです。

ここでメモをお願いします。

沖縄で作られたEM菌は温かい場所でしか効果がないとEM菌信奉者の方から裁判を起こされそうなことをサラッと書いてしまう真菰風呂助産師さんです。

EM菌とその批判者との攻防は「DND出口俊一氏とEM研究機構がまずなすべきは反省ではないか。:EM菌で「消毒」していてサルモネラの検出率が増えてしまったA養鶏場の話から」(左巻健男&理科の探検’s blog)をお読みくださいませ。

私は助産師さんを否定しているわけではないのです

今回真菰風呂を愛するトンデモ助産師さんを取り上げましたが、私は助産師さんという医療に関わる方を否定しているわけではありません。大病院でも出産時には助産師さんが立ち会うこともあります。少なくとも私の子供達は大学病院で出産しましたが、出産まで親切な助産師さんが家内に懇切丁寧に指導してくれたことを今でも感謝しています。大病院や大学病院で普段から新しい医療情報を得ている助産師さんと比較して助産院を経営している独立系の方は時々トンデモニセ医学に汚染されて悲惨な事故を起こしています。

「違法助産院、出血多量で死亡事故」の院長と「首捻り乳児死亡事故」の代表の共通点が気になる

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ホメオパシーに毒された助産師さんが「山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故」を起こしたことは多くの方がご存知なのではないでしょうか?

ヘンテコなセミナーにハマるとこのようことが起きて来ますが⋯ネット上はヘンテコな健康法セミナーが盛りだくさんです。以前調査で信頼度の高いメディアとしてテレビ>ネット>新聞という驚くべ結果が出ていました。

医療の場合は標準治療が書かれたガイドライン>医学系教科書(情報が古くなっていることあり)ネット情報>新聞>テレビという順位になるかもしれません。

6月1日から医療系機関のサイトに対しての規制が厳しくなります。誇大表現や根拠に乏しい治療方法を掲げている医療系サイトが指導対象となるそうです。医療機関の広告規制を厳しくしても被害者が出ているため、今までは広告と見なされなかったいわゆるホームページ上の記述も対象となるそうです。

でもさあ、医療機関以外で医療情報とかヘンテコな治療方法を伝授しているサイトって多数あるけど、それって規制・指導の対象にならないの?と素朴な疑問を抱きつつ、当院のサイトを見直している私でした⋯ヤバイ、ちょっと大げさな表現見つけちゃった、速攻削除、削除。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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