某健康情報というか美容に関するサイトでヘンテコ記述を見つけちゃいました。
みんな大好き乳酸菌に関するコトです。
乳酸菌といえば、国民病の代表でもある花粉症対策の筆頭でもあります。果たして乳酸菌を摂っていれば花粉症に効くのか?実際のところどうなのって点について医師視点で考察してみました。
本記事の内容
エイジングケア専門医が乳酸菌についてヘンなこと言っているけど
エイジングケア専門医が推奨する「あたりめダイエット」(https://diet.news-postseven.com/16977)とのタイトルのダイエット記事です。
ヨーグルトは腸内環境を整えるには効果的ですが、特に38℃程度に温めると(ラップをせず、500wの電子レンジで約40秒)、乳酸菌の吸収力が上がり、腸内を活性化してくれます。
体内に乳酸菌が吸収されちゃったら、血液中を乳酸菌が駆け巡り、乳酸菌による敗血症になっちゃうんじゃないの?
このダイエット記事が気になって乳酸菌界隈をウロウロしていたら花粉症のシーズンということもあるので乳酸菌で花粉症のようなアレルギーの病気を治す的な記事や広告が目立ちます。
果たして腸内細菌に乳酸菌を取り入れると果たして本当に花粉症やアレルギー系の病気を治したり改善したりすることが可能なんでしょうか?まずは乳酸菌が花粉症に効果がある説を検討して、乳酸菌で花粉症の症状改善は疑問だよ説も見つけましたので検討してみます。
カルピスの花粉症対策と注目のL-92乳酸菌はどうなんだ?
乳酸菌飲料の代表であるカルピス、これキライに人って滅多にいないんじゃないかなあ。私は水で薄めるタイプのカルピスのグレープ味が大好きでした(最近、あまり見かけない)。子供時代から刷り込まれているカルピスが近年ではヤクルトに対抗するかのように健康対策に力を入れています。ネット上の広告もしばしば目にします(私は表示されるたびに、かならずバナーを踏んじゃいます)。そこで現れたのがこれ。
2018年は飛散する花粉の量が昨年と比較して2倍、なんて予想されていますので花粉症を患っている方にとっては辛い年になりそうです。
カルピスは
アレルギー症状が起きる原因として免疫力のバランスが壊れるから
と考えているようです。
免疫力のバランス、って言われるとなんとなく分かったような気になっちゃいますけど、そもそも免疫力の指標というかバロメーターって何なんでしょうか?カルピスの場合、骨髄で作られるリンパ球の一種類であるT細胞を免疫関連の指標としています。このT細胞はヘルパーT細胞とかキラーT細胞とかの種類があります。その中のヘルパーT細胞の一つであるTh1細胞とTh2細胞のバランスが崩れることによってアレルギー症状が出るとカルピスは考えているようです。
このアレルギー発症メカニズムはなるほど、と納得できるものです。
でも、アレルギー発症メカニズムがわかっても乳酸菌がそれを改善するかは別の話であることは当然です。L-92乳酸菌の研究によって花粉症への効果が有効であると続々と発表されています、とカルピスは強く主張しているのですけど⋯これに対して次のような意見もあります。
花粉症に乳酸菌サプリの効果は?
夕刊フジってご存知でしょうか?ご存知でない方に簡単に説明すると、オッサン向けの夕刊紙、特ダネ記事もありますがモッた記事も多数であり、エッチな写真も掲載されている、ご家庭に持ち帰りにくい新聞です。この夕刊フジ、なんでお前が愛読しているかというご質問にお答えすると、とにかく記事のタイトルや見出しの付け方が秀逸(まあ、盛ったとの表現もありますけどね)。
そんな夕刊フジですから信頼度に関しては甚だ疑問をお持ちの方もいるとは予想します。でも、この記事の発言者は千葉大学医学部の教授であり、耳鼻科関連のプロ中のプロです。
岡本美孝教授はこのように述べています。これ夕刊フジのデジタル版まんま画像をアップしていますが、口頭で使用許可を頂いています。産経って太っ腹。
- 乳酸菌の花粉症の症状を抑える効果は実験で確認されている、動物実験だけど
- 乳酸菌の花粉症に対する効果を人間を対象に行ったけど有効性は証明できなかった
- 理論的には効果があるはずでも、実際の効果は期待できないことがある
- プラセボ効果も考える必要がある
- 服用した人が効果あり、と考えるのなら活用してもいいよ
カルピスはサイトに論文を多数掲載しているけど、権威ある現役の医師には乳酸菌が花粉症に有効という話は科学的根拠を示すのは難しいケースとして処理されている模様。高額な費用がかからないで、健康被害がないかぎり効果を感じる人は食べたり飲んだりしてもいいんじゃない、と判断されているようです。
どうしても気になる「乳酸菌が吸収される」というフレーズ
乳酸菌で花粉症を治す、というよりは症状が軽減するなら食べてもいいんじゃないの、って多くの医師は考えると思います。腸内細菌叢にそれなりの良い影響を与えて、快便になればいいし、お腹の異常発酵による膨満感が消失すればなんとな~くヤセたような気にもなれますしね。
しかし
気になるんだよね~医師の「DIET ポストセブン」中の「乳酸菌の吸収力が上がり、腸内を活性化してくれます」発言。
乳酸菌は腸内で活躍するわけで、それを吸収とは呼ばないし、医学的な吸収という用語で解釈したら乳酸菌が血流に乗って各臓器に到達することになっちゃうじゃん。
これかなり危なっかしい事態を引き起こしてしまうのでは⋯と思ったところ、これを書かれた医師、どっかで直接お会いした記憶があります、ヤバイ、ヤバイ。またスタッフに怒られちゃうかも。