ナースキャップを見かけなくなった理由はこれかも!?

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1980年台後半くらいからナースキャップって忙しく動き回る看護師さん(当時は普通は看護婦さんって呼んでいた)に取って邪魔❗との意見と共に院内感染対策として、菌を撒き散らす感染源になっているんじゃないのって話がでてきました。

ナースキャップ感染源説以外の理由はこれかな?

ナースキャップが廃止になった理由として以下の2つが一般的には考えられています。

  1. 看護師業務を行う上で邪魔
  2. 院内感染の感染源になりうる

私としてはもうひとつの理由としてナースキャップは男性看護師さんには似合わないから廃止された こんな可能性もあるんじゃないかと妄想しちゃったので、それに対する考察を行ってみました。

男性看護師は増えているか?

1980年代位から現在までの看護師さんの男女比の推移を調べようと思ったのですが、明確かつ信頼たるデータベースは残念ながら見つかりませんでした。

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内閣府男女共同参画局サイト (http://www.gender.go.jp/research/kenkyu/sekkyoku/pdf/senmonsyoku/16_ch4-1-2.pdf)

おっ、このデータ、公的機関の資料だ❗女性看護師さんが占める割合を元にして男性看護師さんの人数の推移が出せるぞ❗と思ったら、スペインのデータでした、残念。

さらに2002年から2012年の厚生労働省の調査による男性看護師さんの数はあまり増加していません。

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私の仮説「ナースキャップが使用されなくなったのは男性看護師さんが増加したから」は見事に否定されましたあ。

ナースキャップが感染の原因になるというエビデンスは多数あり

ナースキャップが院内感染対策の一つと日本で検討されだした1990年台にこんな論文が発表されています。看護学生に対する感染防止教育 (第3報) では「ナースキャップ付着菌の細菌学的検討:ナースキャップ付着菌の細菌学的検討」(環境感染 10 (3) , 49-52, 1995)。この論文では36人のナースキャップを調べた所27人(75パーセント)から菌が検出されて、そのうちの一人から院内感染で特に注意が必要なメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出されています。その他にもナースキャップ感染源説を述べた論文は多数あります。

一方でナースキャップとフェミニズムの関連に言及した論文もあります。例えば「ナースキャップの表現する看護婦像とフェミニズム : 英米におけるナースキャップ廃止議論の背景にあるもの」(日本看護研究学会雑誌 25 (2) , 87-99, 2002-06-20)ではナースキャップの歴史からナースの社会的地位などが詳しく述べられ

ナースキャップを着用するということは、見た目という外観だけでなく、内面的にも“女性である”ことを無意識のうちに表現したことから、看護婦自身の意思にに関わらず、ステレオタイプ化された女性特有とされるイメージを伝えることになってしまった。

との結論を導いています。

さらに

男性(医師)より劣る女性(看護婦)とされ、看護は医学や医師による支配を受けること、医師を尊敬し従属すること、それと引き換えに医師から庇護を受けることをよしとしていた

と現在読むとチョット力が入り過ぎに思えるような論文となっていました。

データ元の信頼度は不明ですけど、私の説をバックアップする記事を見つけ

ナースキャップを見かけなくなった理由の一つが感染症対策であることは明らかです。フェミニズム問題は私はあまり関わりたくない分野(当院のスタッフの95パーセントは女性)ですし、詳しい状況を把握していませんので意見は控えますね。ところで看護師さんの男女比についてブログを書き終えようと思った矢先にこんな記事を見つけました。

「県内男性看護師が10年で2.5倍 養成段階の実習先確保に課題」http://medica.sanyonews.jp/article/8503/

ナースキャップが使用されなくなったのは男性看護師さんが増えたせい?

これは岡山県内に限った話であり、全国レベルで男性看護師さんが2.5倍増えたのかは不明です。私の妄想である「ナースキャップが使用されなくなったのは男性看護師さんが増えた」説もありかなあ⋯。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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