食の安全とか食の大切さ、それらを学びながらついでに道徳教育も施そう、というのが食育基本法の概念と受け止めています。これはそれはそれなりに結構な考え方だとは思うのですが⋯これをヘンテコな受け止め方をする人が多発しているようです。
食育基本法ができたけど、トンデモ案件多発中❗
特に給食関連のものとしてこんな事件が起きていますね。「給食の完食指導で5人が嘔吐 小学校教諭を厳重注意」(朝日新聞デジタル)⋯この事件は給食の完食を強要された生徒5人が嘔吐して、教育委員会が配慮にかけた指導だった、と反省。
なぜ嘔吐したのかは別問題として、昔から給食は残さずに食べましょうと言われて、お昼休憩中も机にかじりついて給食の完食を指導されていたクラスメイトが一人や二人必ずいたような思い出があります。早めに給食を完食して思いっきり遊ぼうとすると「早食いはダメ」と注意をされ、苦手な食材が出ると給食袋にコッソリ隠した経験があります。食べ物の好みは人それぞれ、国々によっても嗜好は違っています。
好きじゃないものを無理やり食べさせるのが食育じゃないはずだし、その日の体調によって食欲がある日とない日も普通あるんじゃないのかなあ。
給食関連のトンデモ食育
食育ってなぜか、変な方向性で考えている人が前面に出てきちゃいます。
- コンビニ食を食べると非行に走る
主流はコンビニ食にたっぷり含まれている添加物や防腐剤が脳に刺激を与えることによって、非行に走る、という不思議な話が多数出回っています。 - パン食だと成績が悪くなる
もともと日本人はコメを食べてきたので、小麦が主成分のパンは日本人には合わない。さらに、市販のパンの日持ちが良いのは防腐剤や添加物が多量に使用されているから、というどう見てもトンデモなお話(例のヤマザキパンがなぜカビないの理由がお分かりになってない)。カビない理由を知りたい方はどうーぞ。「添加物は危険」と言っている方へ⋯お餅がカビないのは保存料を含んでいるからですか?? - 給食を変えたらいじめが無くなった
給食を米飯と魚中心にしたところ、不登校が減り、非行も減り、暴走族も改心する、なんてお花畑的な話もあります。
まあ、こんな話で満載なのがこれです。
こんなインパクトの有る書籍を頼りに食育を学んでしまうと、ヘンテコな事件・事故が多発しそうでちょっと怖いです。
やたらめったら母親の負担が増え、学校の先生の責任も重大であること、さらに昔は良かったという幻想で溢れかえっている内容です。
給食って、いろんな問題が続出しています❗
給食関連だとこんな事故が起きています。
アレルギー除去食を取り違え 児童2人が一時入院
朝日新聞デジタル
学校教育課によると、25日のナポリタンスパゲティで、小麦粉アレルギーがある男児用にスパゲティ抜き、乳製品アレルギーがある女児用にチーズ抜きを出すはずだったが、取り違えて提供した。女児はすぐにアレルギー症状が現れ、救急搬送された。男児は帰宅後に症状が悪化して救急搬送された。同課は調理室で調理員が食事に2人の名札を取り違えて付けた可能性があるとみている。
そもそも給食って食育的にはみんなで同じものを食べましょう、という考えが根底にはあるはずです(じゃなければ、完食目指して強要なんてことも起きないはず)。しかし、食物アレルギーを持っている子供も多いのでこれは無理、だからアレルギー除去食が用意されているわけです。すると「食物アレルギーがある生徒は弁当持参にすればいいじゃん」って意見が当然出てきます。すると「あの子だけ好きなものだけ食べていてズルい」なんて意見も出てくるんじゃないでしょうか?
多様性が重要視されるようになってきているのに、同じものを同じような時間をかけて皆で食べるという給食、これはかなり深くて難しい問題をはらんでいることは間違いないと考えます。
食育で教育現場が壊れていくような気がする
食育という考え方によって小中学校に管理栄養士さんが配属されるようになったようです。しかし、管理栄養士であってもトンデモさんがいることは皆さんには既にお伝えしております。
などなど多数、これらの管理栄養士さんが学校給食を采配するとなるとこりゃまた別の問題が発生しそうです。
食育を小学校の先生や中学校の先生に任せることは、時代の流れに逆行します。学校の先生が教育以外の雑用に時間を捉えていることが問題になっています。このうえに食育なんてものまで担当させられたらたまったもんじゃありません。