牛乳有害論、言い出しっぺは誰だ?? 2017-09-05

とにかく牛乳を目の敵にしている一派がいるんですけど⋯

「牛乳＝からだに良い」と当たり前のように思っていました。実はわたしは牛乳を直接飲むというよりは、牛乳あるいは生クリームを主体としたシチューとかパスタの大ファンです。

日本人に比較的多い乳糖不耐症（消化酵素が少ない為に、牛乳を飲むとお腹が痛くなったり、下痢になる）の方にとっては牛乳は健康に良くない、との話は理解できます。しかし世の中に出回っている「牛乳有害説」の多くはというかほとんどが科学的・医学的に非論理的な話なんです。

けど、なぜか信奉者も多い様子。別にヘンテコな栄養学にはまり込んでいる方面の方は放っといても良いかもしれませんけど、

牛乳有害論信奉者ってなぜかシンパを求める傾向がありますので、学校・職場・飲み会・ママ友間でトンデモさんに共鳴（波動方面だと共振かな？）しちゃわないように、牛乳有害論がどれだけトンデモであり、根拠のないいい加減な話なのかをお伝えします。

がん患者さんにとって牛乳は有害、との説をお持ちの名誉教授

先の大戦後、食べ物不足に陥った日本で脱脂粉乳と呼ばれるメチャマズイ牛乳様の飲み物が学校の給食で出されていました。これが本当にマズイので脱脂粉乳悪けりゃ牛乳まで憎い、って感じの年配の方がいるのは致し方ないことでしょう。しかし、それは食べ物の好き嫌いの問題であって、牛乳が体に悪いという話は別問題。

京都大学名誉教授の和田洋巳医師は「がんを牛乳が育てる」という独自の理論をお持ちであり、有名国立大学の名誉教授も言っている「牛乳有害論」と書かれたネット上の記事の「有名大学の名誉教授」は和田氏を指す場合が多いようです。実際にがん治療を行う場合、標準医療と並行してサプリメントなんかも処方するおちゃめな治療スタイルはニセ医学・インチキ医学というよりは、トンデモ医学と考えて良さそうです（トンデモ・ニセ・インチキはこれからは使い分ける予定です）。

牛乳、チーズ、ヨーグルトなどが実はがん細胞を活性化させてしまうのだということを皆様にぜひ知っていただきたいと思います。

http://wadahiromi.hatenablog.com/entries/2013/07/02

このようにブログに書かれています。その理由としてインスリン様成長因子（Insulin-like growth factors）が牛乳には大量に含まれているために、がん細胞の増殖を促す、だからがんと闘病中の方にとって牛乳は有害であるとの主張です。

和田医師のブログ「京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室」にて多数の症例が掲載されいますのでご興味の有る方はどーぞ。

標準医療に自分独自の理論を隠し味として使用されていますが、下手すりゃ人体実験と呼ばれかねませんので、ご注意いただきたいと存じます。

やっぱりあの方が牛乳有害論の言い出しっぺ？

サンマーク出版からシリーズで出ている「病気にならない生き方」という健康本があります。

サンマーク出版と聞いただけで「ああ、あの波動方面のね」と連想される方はトンデモに詳しい方だと思われます。このサンマーク出版の一般書籍って新聞で大々的に広告をしますので、時々大ヒット作品がでて、それをテレビが取り上げで大ブームという流れが定型化されています。

この健康関連一般書籍を書かれた新谷弘実医師は消化器系内視鏡のエキスパートながら、メチャサプリ好きで一部には知られています（私の友人は都内某所で新谷医師の診察を受けた所ポリープが発見され、がんにならないようにと30種類近くのサプリの処方箋を出してもらいまいした、もちろんサプリメーカー指定で）。

牛乳とある疾患の相関関係を示した論文は幾つかあります。しかし、原因と結果としての牛乳とがんの因果関係を示したものはありません。この新谷医師、こんな公開質問状を全乳連から出されています。

http://www.zennyuren.or.jp/news/kaitou/kaitou.htm→全乳連のアドレスが変わってしまい現在は閲覧できません。→ https://www.j-milk.jp/news/8d863s000007j0p1.html

公開質問状に対しての、新谷医師の回答を見るとどうも論文の読み間違い、というか都合の良い点だけを抜き出していることが全乳連サイドから指摘されています。まあ、トンデモさんを拗らせたニセ医学方面の方にありがちな話です。

牛乳有害論って「牛乳って栄養満点」と呼ばれることに対するタダの反抗期を迎えた若者の戯言レベルに私は思ってしまいました（笑）。

新谷医師の場合、牛乳を否定しつつその他のサプリ等を推奨していますので、トンデモという可愛いげのあるものではなく、ニセ医学さらには効果がないことを知っていながら金銭方面の誘惑に弱いインチキ医学方面の香りが漂います。

有名医師、権威ある医師のトンデモ理論にどっぷりハマった方

ちょっと前に生クリームは食べるプラスチック発言で炎上した管理栄養士がいました。元をたどれば牛乳有害論が基礎にあって、そのスピンオフとして生クリーム有害論が出てきたと思われます。

牛乳有害論がマスメディアで取り上げられない理由として

なぜ、こんなに害のある牛乳が「身体に良い完全食品」と無批判に受け入れられてきたのでしょうか？　それは、アメリカ人が消費する食品群の第２位を占めるといわれる巨大な牛乳・乳製品業界が、財力にものを言わせて政治的圧力や宣伝攻勢を仕かけてきたからです。上下両院議員の７人に１人がこの業界を支持基盤にしていると言われ、「ミルクロビー」が存在しているのです。アメリカ政府は牛乳の害を知りながら、有名人を使った乳製品業界の大キャンペーンに目をつぶり、実際は事実を隠蔽してきたのではないかと言われています。日本でも同じです。テレビのＣＭの3割近くが菓子メーカーや牛乳、乳製品メーカーとも言われています。それ故にマスコミも牛乳の危険性は取り上げないという暗黙の了解があるのです。

なんてご意見の方もいます（http://www.asyura2.com/13/health16/msg/629.html）、何でもかんでも自分の思いどおりにならないと、巨大陰謀組織のせいにする方の多くがトンデモさんです。

確かに海外の論文でも牛乳をいくら飲んでも骨折のリスクは低くならなかった、というものがあります。

牛乳の飲み過ぎ問題、本当に骨粗鬆症に効果があるのか？死亡率が高まる、という論文は正しいのか？

ブログ中に書いてありますが、研究論文としてはツッコミどころ満載であり、疫学的に正しい分析がなされていません。

「牛乳って体に悪いんだって」との話が出たら間違いなく反ワクチン派であり、食品添加物体に悪い派、がんは食事で治るなんて信じ込んでいる人の可能性がかなり高いと考えても、大きな間違いではありません。さらに何かを否定していらん不安を煽って他の商品を推奨する⋯これかなり怪しげと考えてよろしいかと。