前立腺肥大症の症状と手術についての動画解説

前立腺は膀胱と尿道の間にあって精液を作ってるところです。睾丸（精巣）で精子は作られるんですけど、それだけじゃ妊娠とかできないので、精液の中に乗っで泳いで液体の中に精子が含まれて、それで精液として射精して妊娠が成立する。ま、射精できるってこと。そのための臓器が前立線って呼ばれる男性特有の臓器です。

その前立線が大きくなった状態を前立線が肥大してるって言います。一般的にその時は、おしっこができにくいとか、夜におしっこに起きてしまう、或いはおしっこに時間かかる、中には漏らしてしまうって人も出るんですけど、そういう症状が出た時を前立線肥大症って呼んでおりますんで、前立線が大きいから何か排尿障害がある・排尿困難があるってわけでもない。逆に前立腺が小さくても、ものすごい勢いで今言ったような症状が出る場合があるので、そういうの私たち泌尿器科医は尿路障害って呼んでおります。

1番分かりやすいのはですね、例えばお店・デパートとか車運転してサービスエリアとかトイレ行きますよね？自分がおしっこしてて隣に入ってきた人の方が先、後から入ってきて先に出てるっていうんだったらその方は前立腺肥大症・排尿困難があるって考えていただいていいと思います。それが一番見分けが簡単だと思いますよ。

治療法としては薬物治療、あと手術療法っていうのが考えられるんですけど、私が多く経験しているのはその方のどのような生活何時に寝て何時に起きるてるの？あと飲食どうしてるの？と聞くことによって改善することもあるのですが、一般的には薬物療法。薬物としては大きくなった前立線を縮める薬。狭くなったおしっこの通り道を広げる薬。あるいはこの前立線自体柔軟性を持たせることによっておしっこ出しやすくするって薬。この3種類が今日本で主に使われてます。

3種類の薬のいいとこ取りで3種類組み合わせて消され方もいますし、あの1種類だけじゃダメだからって2種類 っていう場合もあるんですけど、尿道を広げる薬っていうのは血圧に影響を及ぼすので、前立線肥大症って40から50特に60、70って多くなってくる病気なので、そうすると血圧の薬や心臓の薬との影響で内科的なあ生活習慣病を見てる先生が嫌がる場合もありますよね。その薬って欠点は、若い方で非常によろしくない点としては多くの方おしっこの通り道を広げれば 広げるほど逆光性射精っていう現象が出てしまって射精しても外に出せない膀胱内に出てしまうっていう症状が出るって欠点があります。で前立線をこう小さくする薬っていうのはホルモンを関与しますので、内科の先生とか、あっこれ飲んでねってやってると「前立腺がん」のマーカー主要マーカーであるPSAって数字を低くしてしまうがために、前立線がん、前立線がんと前立線肥大症って全然別の病気なんですけど、前立線がんの発見を 遅らせることもありますし、女性ホルモンに似ておりますので、例えばおっぱいが痛くなる、おっっぱいが大きくなる、あとポテンツが落ちる、あとEDになっちゃったなんて人もいないことはありません。前立腺を柔らかくする薬っていうのを、まぁこれは割といい薬とされていて大きな副作用はないんですけど、欠点としては前者の尿・おしっこの通り道を広げる薬、あるいは前立腺を小さくする薬ほど効果はないです。

手術に関しては、あの昔はTUR（内視鏡と切除ループを用いて膀胱腫瘍を切除する手術）と言って尿道の先から管を入れて鉋のように前立腺の大きくなった部分を削るって方法あったんですけど、それだとすごく出血しますので、例えば血液サラサラの薬を飲んでるって人には適さないし、入院が必要です。さらに今、最近多くはレーザーでこの前立線をくり抜くって手術があるんですけど、それもやっぱり出血あるいは入院期間が長くなる、日帰りとかで行えなくなる、そういう欠点はあると思います。前立線肥大症って私が知ってる時代、開業して26年になるんですけど、その頃に比べてどんどん若年化してきますので、入院はちょっとねって言いながら薬で誤魔化して非常に生活の質が落ちてる方が多いので、そこで私はあの2022年9月から保険催された保険健康保険でできる日帰りの手術として水蒸気を肥大した前立線に内視鏡を使って当てる、という治療を積極的に当院では行いだしました。

例えば腰の骨が折れちゃってるおじいちゃん、あとは管を入れっぱなしになっちゃってる方ですね、尿道バルーンとか尿カテーテルっていうんですけど、そういう尿道カテーテルとか入れてると、例えばデイサービスとかお泊まりのある介護施設とか入れないっていうところも多いようです。そういう方のためにそれじゃあそういう方を、さっき言ったTURP（経尿道的前立腺切除術）とかHoLEPっていうレーザーでくり抜く手術となると麻酔上の問題や、あと入院の問題、入院してる間に歩けなくなっちゃうとかありますからね。あと ちょっと頭の方が認知が進むなんていうのか あるんで日帰りでそういうリスクがある人のために開発された水蒸機を使った前立線肥大症の手術っていう風に考えていただければと思います。

はい。いきなり手術じゃなくても薬物療法でもいいですし、何か他の病気も隠れてる場合もあるので、おしっこで変だなと思ったら、近くのやっぱり泌尿器科を受診することを私はお勧めします。

私は診療圏、本当ご近所の方、地域密着型でやってますので、患者さんの家族構成あるいはご職業っていうことを知っといて治療してきます。あとどういうライフスタイルを送ってるかですよね。例えば座りっぱなしの姿勢が長い方っていうのは、最近あのリモートワークとか増えましたよね？そういう方っていうのはどうしても前立線が鬱血する傾向があるので、前立線肥大症のような症状が出ます。でも、それってのは長く見てる間に前立線肥大ではなくてその方のライフスタイルだってことが分かれば薬を飲む必要もないし手術する必要もないです。あと高齢者の場合、ま、ご本人が面倒をお嫁さんとか家族に面倒を見てもらってるんだけど、家族を他の病気で診察すると、いや〜うちのおじいちゃん、実はこれが手間かかって〜なんて話を聞くんですよね。そうするとやっぱりこの人はどういう家族に囲まれてどういう面倒を見てもらってるのかとか、そういう意味で家族構成あと職業、あとライフスタイル、そういうのは非常に重要な、より良い治療をするためのポイントになるって私は確信しております。