腎結核とは
腎臓に結核菌が感染することで発症します。
感染後は数年以上かけてゆっくり進行する経過をたどり、壊死した腎組織がチーズ状になる乾酪化・組織の空洞化が生じ、尿に結核菌が混じるようになります。
さらに進行すると、尿管、膀胱、尿道にも結核病巣が広がります。
症状
腎結核でとどまっているときは、ほとんど症状がありません。感染が膀胱に及ぶと、頻尿や排尿痛、残尿感などの膀胱刺激症状が現れます。
さらに進行すると、尿管狭窄を伴う腎臓部の痛みや、皮膚の上から触って分かるほど腎臓が膨らみます。それ以外にも、全身に及ぶ倦怠感、疲れやすさ、微熱、寝汗、食欲不振、体重減少などの症状が見られることがあります。尿は、米のとぎ汁のような濁った血尿や膿尿になります。
原因
肺の結核病巣から結核菌が血液に乗って腎臓に運ばれることによって発症します。初期には腎実質に結核病巣を形成しますが、腎結核が進行すると結核菌が尿と共に尿路を流れて、尿管や膀胱、尿道にも病変が及びます。
肺以外の臓器から結核菌が血流に乗って感染することもあります。
診断と検査
尿中に白血球を認めるのに細菌が検出されないときに可能性を考えます(無菌性膿尿)。ほかの原因である結石やがんを除外した後、尿を結核培養・PCR検査に提出します。
陽性の場合、尿路のどこに結核が感染しているかCTなどで評価します。
当クリニックの考え方・治療方法
難治性膀胱炎、無菌性膿尿があれば結核検査や超音波検査を当院で行います。
尿路結核があれば専門病院へ紹介し、抗結核治療となります。
処方される主な薬
抗結核薬(3剤もしくは4剤)を約半年間使います。腎が委縮してしまっている場合には、手術での摘出も考慮します。
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