精巣がんとは
精子は、精巣(睾丸)内の精細管でつくられます。その精細管上皮細胞に発生するのが精巣がんです。発生率は10万人に約1人の割合で、男性のがん全体に占める割合は1%程度の比較的まれながんといえます。好発年齢は幼児期(5歳以下)と壮年期(20〜30歳代)です。
症状
初発症状は精巣のしこりや腫れで、ほとんどの場合、痛みは感じません。ただし、人によっては下腹部の鈍痛や重苦しさを感じることがあり、約10%の割合で精巣痛があります。がんが進行してほかの臓器や組織に転移すると、腹部の痛みやしこり、息切れや咳、血痰、呼吸困難、頸部のリンパ節の腫れなど、転移した部位の症状が現れます。また、体重減少などの全身症状、がんがつくりだすホルモンによって乳首の腫れや痛みを起こすこともあります。
精巣がんは、大きくセミノーマと非セミノーマに分けられますが、非セミノーマのほうが転移しやすく、悪性の経過をたどります。
原因
原因は不明ですが、停留精巣(出生時に精巣が陰嚢内まで完全に下降していない状態)があると、健常な男性に比べて3〜14倍も発生リスクが高くなります。そのほかに、精巣の外傷や炎症も一因となります。
また、片側に精巣がんが発生すると、反対側にも発生する確率は健康な男性よりも20倍以上高いとのデータがあります。
遺伝要因との関係ははっきり分かっていません。
診断と検査
ほぼ触診で診断できます。超音波検査で内部が液体でなく実質性のものであることを確認し、腫瘍マーカー(AFPやHCGなど)採血します。転移の有無はCT検査で診ます。
当クリニックの考え方・治療方法
診断後は速やかに手術となりますので、初診時にある程度疑わしければ、すぐ連携病院へ紹介しています。
処方される主な薬
薬での治療は行わず、まず手術です。転移に対しては抗がん剤や放射線治療が必要です。
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