尿道外傷

尿道外傷とは

何らかの原因で、尿道に損傷を来すのが尿道外傷です。男性に多く発症し、損傷を受ける部位によって、前部尿道(陰茎部の尿道)損傷と後部尿道(体内の尿道)損傷とがあります。尿道外傷になると、感染症や尿道の永久狭窄、勃起障害、尿失禁などを合併することがあります。

症状

前部尿道損傷の症状としては、尿道からの出血、排尿困難、排尿時の痛み、股関部の皮下出血などがあります。尿道が断裂してしまうと、尿が出なくなる尿閉を起こします。

一方、後部尿道損傷では尿道からの出血は少なく、会陰部(陰嚢または外陰と肛門の間)から陰嚢(睾丸や副睾丸が収まっている袋状の組織)にわたって、内出血によってできた皮下の血の塊(皮下血腫)が見られます。

損傷によって尿道の内壁が裂けてしまうと、陰茎や陰嚢、会陰部などに尿が漏れ出てしまうことがあります。

原因

尿道外傷の主な原因は、交通事故や労働災害です。

前部尿道損傷の多くは、高い所から落下したときに硬い物に股間(会陰部)を強打して、尿道が硬い物と恥骨に挟まれて裂傷を負うことが原因になります。

一方、後部尿道損傷の原因の大部分は骨盤骨折です。

また、治療で膀胱カテーテルや膀胱鏡などを尿道に挿入するときに尿道が損傷を受けることもあります。

診断と検査

まず、陰部をぶつけた病歴の確認と尿検査をします。

排尿ができない場合は膀胱瘻という膀胱から体外へ尿を出す管を入れます。尿道造影や内視鏡、MRIなどでの評価が必要です。

当クリニックの考え方・治療方法

排尿ができない場合は、まず排尿できるような処置を試みます。治療に関しては連携病院への紹介となります。

処方される主な薬

抗生剤や止血剤などを使用しますが、手術加療が必要になることもあります。

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桑満おさむ医師

このページの文責:桑満おさむ(医師)
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区で五本木クリニックを開院。

患者さん1人ひとりのホームドクターになるという理念のもと、常に敷居が低くどなたでもお気軽に来院できるクリニックを目指し、とくに日帰り検査・手術に力を入れています。技術の向上はもちろんですがより新しい医療機器や治療方法・医学情報の提供につとめています。患者さんとの会話を大切にしています。

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