尿量には個人差があります。少なすぎる場合の目安とは?
おしっこの量が少ない症状を「乏尿(ぼうにょう)」といいます。
健康な成人の1日の尿量は、個人差はありますが、だいたい1,000ml〜2,000ml程度です。何らかの原因で尿の排泄量が低下し、1日に400ml以下しか尿が出ないことを「乏尿」といいます。さらに、1日50ml以下しか出ない場合を特に「無尿」とよびます。尿量が少ないことが気になる方は、以上の数値を目安に泌尿器科の受診をご検討ください。また、尿意があるのに排尿ができないのは尿閉という疾患で注意が必要です。
症状
おしっこの量が少ないと、排出するべき体の不純物を尿として十分に排出できないため、足や顔がむくみ、ひどくなると呼吸困難が出てきます。また、尿は体の不純物を外に出す役割を果たしているので、おしっこの量が減少することにより不純物が体にたまり、全身のだるさ、吐き気、不整脈などの症状が出ることがあります。
血液検査や尿検査、超音波検査など適切な検査を行い、原因を調べて治療を検討することが大切です。
原因
乏尿や無尿の原因は、「腎前性」「腎性」「腎後性」の3つに分けられます。
「腎前性乏尿・無尿」は、腎臓自体に病気はなく、腎臓に十分な血流が行かないことによって起きるものです。原因としては、脱水症、ショック、出血、心臓の病気、全身性の感染症などがあります。
「腎性乏尿・無尿」は腎臓そのものの病気によるもので、原因としては、X線の造影剤や、筋肉細胞の一部が壊死し血液中に流出する横紋筋融解症、腎毒性の薬などにより尿細管が壊死する急性尿細管壊死、尿がたまる腎盂に細菌が繁殖する慢性腎盂腎炎、尿の流れがせき止められて尿道や腎臓の中に尿がたまって拡張してしまう水腎症などが挙げられます。
「腎後性乏尿・無尿」は、尿路や膀胱に障害のあるもので、原因としては尿路に起こる結石、腫瘍、炎症などがあり、尿路外の病変としては骨盤内の悪性腫瘍の進展やリンパ節転移などによる圧迫などがあります。
疑いのある疾患
急性腎障害(腎前性、腎性、腎後性)
乏尿や無尿の原因として、急性腎障害が挙げられます。腎前性、腎性、腎後性の3つに分けられます。
症状としては、乏尿、無尿の他に、むくみ、全身のだるさ、吐き気、呼吸困難などが現れます。合併症として、心不全や高カリウム血症があり、原因に対する治療と、場合によっては、おしっこを体外へ送り出し、専用機器を使って老廃物を取り除く透析(とうせき)が必要になることもあります。
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