尿道痛・排尿痛とは
膀胱から尿が外に出るまでの通り道が尿道です。おしっこをする時、痛みを感じることを一般的に排尿時痛といいます。排尿時痛の主な原因は尿道への細菌が侵入です。尿道が細菌感染を起こすことによりさまざまな症状が現れます。
症状
身体的な疲れや精神的なストレスなどで体の免疫力が落ちている時にこれらの感染症にかかりやすいといわれています。例えば病気によっては高熱、血尿や頻尿、残尿感、排尿困難を伴い、尿道が狭くなっていれば尿の線が細くなることもあります。
また、一部の性感染症が尿道の痛みの原因となることもあり、その場合は排尿時に焼けつくような痛みがあったり、尿道から黄色や白い膿が出て尿が濁ったり、尿の出口が赤く腫れたりすることもあります。
原因
尿の出口から細菌などが侵入し、尿道や前立腺に感染して炎症を起こしたり、何らかの理由により尿道の粘膜に傷がついたりすることで痛みが出現します。
尿が出始める時の痛みの原因としては、尿道炎、前立腺炎、淋菌感染症などの性感染症が多く、尿が終わるころに生じる痛みの原因としては尿路結石や膀胱炎、尿が出ている間に痛みが持続する原因としては尿道結石、尿道腫瘍、尿道外傷などによる尿道狭窄が多いです。
ちなみに、結石の約95%は腎臓や尿管にできるといわれており、尿道結石の頻度は高くありません。また、尿道腫瘍も発生頻度の低い、まれな疾患です。尿道炎は放置すると排尿困難を起こす尿道狭窄の原因になるため、専門医の受診が必要となります。
疑いのある疾患
尿道炎
細菌、真菌、ウイルスが尿道に入ることにより起こります。女性は尿道が短いため、膀胱炎を併発することが多くなります。
症状としては、男女ともに排尿時の痛み、おしっこの回数が多い頻尿、尿意切迫などが見られ、男性で性感染症である淋菌またはクラミジアが原因の場合は、尿道からの分泌物が見られます。通常、原因菌に合った抗菌剤や抗ウイルス薬で治療します。
前立腺炎
前立腺に痛みと腫れが現れる病気で、細菌感染が原因で発症するものと、原因が良く分からないものがあります。
症状として、排尿時の痛み、おしっこの回数が多い頻尿、尿が出にくい排尿困難、膣の出口と肛門の間の会陰部や腰、男性の性器や精巣に痛みを感じます。ゆっくりと発症して再発を起こす慢性前立腺炎と、急速に進行する急性前立腺炎があります。治療としては薬物療法、物理療法、手術療法が選択されます。
尿道外傷
交通事故やスポーツによる骨盤骨折などの外傷や、尿道にカテーテルや膀胱鏡などを通す医療行為中に尿道が傷つくことを尿道外傷といいます。
症状として多いのは、尿をする時の痛み、血尿、尿が出にくいなどです。傷が挫傷にとどまれば自然に治ることもありますが、尿道が裂けている場合は手術による治療が必要になることが多いです。
尿道腫瘍
膀胱からおしっこが排出される通り道を尿道といいます。長さは男性で約20cm、女性で約4cmです。尿道がんはまれな病気ですが、早期から周囲の組織に広がる傾向があります。
原因としては、膀胱がんの病歴、繰り返す性感染症などがあります。
早期のがんでは症状が全く出ないことがあります。病気が進むと尿道から膿が出る、おしっこに血が混じる、排尿時に尿が出にくい、夜間に頻尿がある、会陰部や陰茎のしこり、足の付け根のしこりなどに気付くことがあります。
尿道結石
膀胱から尿の出口までの尿道に結石がとどまる病気で、尿道が長い男性に多くなっています。膀胱結石が尿道に落ちることで起きることがほとんどです。
症状としては、下腹部の強い痛み、頻尿や残尿感などのほか、尿が出にくかったり、二股に分かれたり、勢いが弱くなることもあります。肉眼で分かる血尿が見られることもあります。
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